祝辞

を言おうと思ったけど口惜しいからやめた。だって私が祝わなくったって彼、皆にお褒めいただいていてもうちょっと羨ましいくらいに愛されているから。

 でも、それでも有り難いとは言わせてくれ。君が様々を明言してくれるお陰で、私を取り巻く酸素濃度は少しだけ密度を増す。その少しがどれ程大事か君が知っているからこそのことだ。山登りに馳せた経験がなくたって、わかる。

 君にとっての当たり前が、人々の常識ではないこともちゃんと自覚しているね。そういうところだ。幾ら正しそうなことやいいことを言っている奴、共感できる発言をしてくれる人だって、他者を排除してしまうのなら私は嫌いだ。他人を愛する必要なんてない。放っておけばいいだけの話。

拝啓 君へ

よくやった。えらいぞ。これからもどうせ

敬具 どこかの他人より


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?