生命線

 なんだか胸の奥がぎゅっと苦しくて、君がいつも死にたいと言っていた気持ちが少しだけわかった。だけど死んだって朽ちたって綺麗になんてなれないから、早死にも無駄骨だよ。僕の骨を拾い集めるのは君であってほしいという思いと同等に、君の骨を拾うのは僕でありたいと願っている。この交錯、どうしたらいいのだろう。

 交わるのは一つになれないからだし、繋がるのは離れているからだ。それがわかっているから僕は世界を愛しているけど、まだそんなことにも気づけなかったり、若しくはそんなことさえも憎んでしまっているのかもしれない君が、世界を敬遠するのもよくわかる。遠ざけて一番傷つくのは君自身なのに。

 どれだけぎゅっと結んだ髪の毛もいつかは絡まって解けてしまう。だからその前にみんな必死で結び直す。一度解いてしまうともう戻れなくなるのが怖くて、ずっと結んだままの君がいつかぼろぼろに絡まって動けなくなったら、そっと毛布を掛けてあげる。安心してゆっくり眠ってね。眠り疲れた頃に起きて食べて、また死にたいとか言えばいい。

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