雫

 あなたの声が聞きたい。離れてしばらく経つといつも思うのに、やっぱり会うとイライラしちゃうこれ、一体なんなんだろうね。嫌いじゃないけど好きじゃない。必要だけど鬱陶しい。そんな思春期に親に感じるような情をあなたにも感じるのは、この腐れ縁のせいかしら。

 でも、こんな日はね。こんなときは、あなたでさえ、会えると嬉しいわ。こんな、家に引きこもっていて、会いたい人には会えなくて。仕事も休んでね。って。ゲームのなかのトモダチにもバカにされて。それでもあなたは声を聞かせてくれるから。出会えてよかったなと思うわ。

 でも、全部、あなたのせいよ。そう言っても怒らないあなたが、実は支えだったりするの。ワガママだけど嫌わないでね。

 こんな憂鬱な日は、あなたの声だけ聞いていたい。なんて、降って終わるとまた祈る。