幸福度

 幸せの重さを測りたい。幸せという、子どものころから私たちに付きまとう言葉、本当の意味もわからないのに、本当に重く感じる。正解がないから、途方のないものに思える。幸せに単位があって測ってランク付けできたなら、私たちは今ほどそれに振り回されずに済むのかもしれない。人によっては、その順位に振り回されるのかもしれないが、少なくとも私は、今ほど幸せに執着しなくなると思う。不毛な議論こそ白熱するように、答えのないものにこそ熱中してしまう。

 幸せは自称するものだ。自認した途端から私は幸せになれる。でももし私たちの目指す場所が幸せなら、それを手にしてしまっても大丈夫なのだろうか。失う不幸に脅えながら幸せを全うする強さが今の私にはまだないかもしれない。
一方で幸せは評価されるものだ。どうでもいい他人に評価されて、打ちのめされる。どうでもいいはずの他人が、いつの間にか敵になってしまう。私にはそれに屈する義理もないから、どうすることもできない。

 どうやら私が幸せを受け容れるには、まだまだ時間がかかりそうだ。幸せをいれる箱を少しずつ大きくしながら、その過程で生まれた幸せを掻き集めて、大事にしまっておこう。いつかみる走馬灯が、きらきら輝いて、私を星にしてしまえ。

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