僕の彼女は大魔王

「ねぇこの漢字、「霙」なんて読むかわかる?」
「ひょう?」
「残念!」
「あられ?」
「違う」
「なんだろう、答え、教えてよ」
「みぞれ。霙って書くんだって」
「へぇ、そうなんだ」
「ねぇ、変だと思わない?」
「別段秀でてもないから?」
「ううん、それはね、「英」ってはなぶさとも読むから。だからとりあえずおいといて」
「何が気になるの?」
「ふふっ。ほら、よく見てよ!この漢字。「霙」ほら、ほーら!」
「どうしたの?確かに変わってるかなとは思うけど」
「ふふっ。ほら、もう。なんでわかんないかなぁ。この漢字!なんと!!!雨冠の下にに草冠被ってるの。うふふ。ほら、凄いでしょ」
「ああ、確かに、そうだね。そう言われると。でもそんなに珍しいかな?そんな漢字、探せばもっとありそうだけど。どっちが部首かわからないみたいなの、よくあるし」
「だって、冠2つも被るなんて。一国の王でもそんな威張ったことしないよ!もう「霙」は、大魔王だよ!もう、霙は、大魔王だぜ」
「大魔王だぜ!」
「ふふっ」
「ふっ」
「あっ、笑った!あなたの負けね。じゃあね、うーんと、どうしよっかなぁ。ひとまず私に跪きなさい?」

君のにらめっこはいつもズルい。

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