語彙力戦

SNS時代において、「語彙力」という言葉を頻繁に目にするようになった。私もつかうことがあるように、この言葉は覚えてみると非常に汎用性が高く仕様が良い。
悪口は一番盛り上がる話題だ。とよく言われる。確かに、褒め言葉よりも誰かを貶すような言葉のほうが、スラスラと出てきて滑らかに話せてしまう。それは、その悪口の対象をナメているから、勝っていると思っているからなのかもしれない。

例えば本当に好きな芸能人に対面したファンの多くは何もアクションを起こさない、起こせなかったりする。好きな人に好きだとはなかなか言えなかったりする。そしてそれもまた、対象を愛することの醍醐味だったりもする。
悪口は嫌に華麗に口元から流れだす。そうして誰かが蛇口を締めるまでそれは止まらない。悪口を担う語彙力の根っこは勝算のように思う。(愛の裏返しの場合も大いにあるが。)

素晴らしいと感じた作品や経験に、語彙力を奪われてしまった経験が私には幾度かある。それは最高な音楽アルバムに出会ったときや、ヤバいライブをみたときなどだ。俗にいう、「語彙力が追いつかない」状態である。それは人によっては初めての味を経験したときだったりもするだろう。以下省略。

経験や高揚に語彙力を損なわれたあなたにも、悪口を言っているときのあなたにも、生きていてほしいし、また会いたい。たまには一緒に空を見上げよう。

運命の語彙力戦、「赤上げないで、白下げない。」

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