Good morning, or have a nice day.

 職場の人間と飲みに行った。職場は飲食店だ。上司たちがこぞってスモーカーなのはこのご時世だろうがどうだっていいが、歩き煙草とポイ捨ては本当に止めて欲しかった。民度が低い。自分たちの肩身を狭くしているのが自分たちだと気が付かないどころか、勝手に肩身を広くとるのだから参る。

 まぁ別に楽しい話なんてなくて、仕事の話もそれ以外の話もそれなりにつまらなかった。その男共は同僚の陰口を散々言っておいて、こちらが控えめに誰かの文句を言おうものなら、「悪い人じゃないんだけどね」なんて言う。挙句の果てに、貶し続けた相手のことも「人としては好きなんだけど」とか言い始めるのだから勘弁して欲しい。「人としては好きなんだけど」ギスギス仕事をする生産性のなさに笑う。それなら嫌いでもある程度弁えて場の空気を乱さないくらいに留めておいてくれるほうが余程有難いのに。

 長引いた飲み会は2軒目へ縺れ込む。私の大嫌いなあの上司が、なんだか熱くなって泣き始めた。ウザイ。酔っ払いは何を喋っていても酔っ払いだし。派遣の男と2人で盛り上がっていたけど2人とも本当に、いい歳をして幼いよな。って、それは仕事のやり方をとっても言えることだった。「情がある」んだかなんだか知らねぇけど、酒に負けるくらいの、いや、部下前で酒に甘えるくらいの弱っちい理性の奴。酒で人が変わるなんて都合の良い言い訳だからつまりいつも、彼(ら)に理性なんてなかった。働き始めてから半年強、ずっと。

 だからいつ辞めるか、計画的なそれを考えておくしかない。最も、ある程度の収入は得ているにしろ正規雇用ではないから、いつ辞めようといいのだけれど。でも正社員の条件面も案外厳しかったりするからね。

 今は好きな音楽とかテレビドラマとかバラエティ番組とか、そんな下らないと言われるようなものに縋り付いているだけで幸せだよ。これまでと同じようだけど、昔よりも好きも嫌いも増えたから。買ったCDの話とか、気になるバンドの話とか、グループの話とか。君に話したいことばかりだ。いつも拙くて今日も自分語り。仕事用の靴が壊れたから買いに行かなきゃなとか、どうだっていいから言いたかった。赤の他人の君にだけ聞いて欲しかった。

 今日も相変わらず、乾いたコンタクトと仲良く君を探した。キョロキョロ辺りを見回した後、寒さに耐え切れずただ家に帰った。今日も相変わらず、チョコレートと君を愛している。お互いどこまでもいつまでも馬の骨。だから愛している。

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