表面結露

 大きな声で叫ぶのが愛なら、この誰にも言いたくない思いはなんなのかしら。胸が張り裂けても足りないこの愛おしいという感情は、実体のないこれは。一体全体なんなのかしら。誰に聞けばわかる?あなたに聞けばわかる?でも私はあなたに笑いかけられるだけで殺したくなるほど苦しくて、あなたに話しかけるだけで、それを想像しただけで窒息して死にそうなの。あなたからの完全犯罪を受けて立とうとしている、私は不憫な女ね。

 あなたの子どもを身籠る想像をした。私よりもあなたに愛される我が子を私は許せそうにないのに、その子どもを私よりも愛さないあなたなんて必要ないとも思った。結局、私はあなたと結婚することもあなたの子を授かることもないんだけどね。

 もっと強く願って言葉にできていたら、少しは未来も変わったのかしら。神の悪戯も私たちに傅いてくれたのかしら。国語の問いの答えなんかよりずっと不確かな私たちの過去の希望は、今の私の倦怠感で、帰れる場所は日常だけ。

 愛していたはずのあなたが今ではぽっかり他人のようです。風当たりの強さも妙な肌寒さも私の熱で溶かしておいてあげる。だからたまには、安心しておやすみなさい。

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