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花束みたいな恋は忘れたけれど

2021年2月12日(金)
大学時代の先輩から久しぶりにLINEが来る。結婚をお祝いしてもらったとき以来会えていないから、もう3年ぶりだ。上映中の映画『花束みたいな恋をした』を観て、是非ともお勧めしたくなったとのこと。脚本は、ドラマ『カルテット』や『最高の離婚』の坂本裕二だ。

私が『カルテット』が大好きだということを先輩に言ったっけ、と思う。たぶん言っていない。それでもお勧め先として私を選んでくれたのは、今まで先輩と私が散々恋愛の話や、好きな音楽の話をしてきたからだろう。学生から社会人になってお互い結婚するまで、度々一緒にお酒を飲んだり、ライブに行ったりして、夜遅くまで答えの出ない悩みに付き合ってもらっていた。

今は映画館に行けないけれど、今度ネトフリで観ます、いつか家族ぐるみで会いましょうね。子の寝かしつけの合間にそう返信して、昔のことを思い出す。背の高い先輩を、いつも見上げて話していた。好きだった人、好きだった音楽、好きだった場所。どれも前世紀のことのように感じる。全部変わってしまったけれど、何かの折に思い出して気にかけてもらえるのは、きっと、とても幸せなのだと思う。

誰かに直接会えなくなって、あの人どうしてるかな、と思うことがとても増えた。それでも、日々の慌ただしさにかまけてつい後回しにしてしまう。次こそは私から連絡したいな、と思った。

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