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シロクマ文芸部

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ほぼ毎週参加させて頂いているシロクマ文芸部の記事をまとめました。 ショートショート・詩・短歌、たまにエッセイを書いています。
運営しているクリエイター

#ショートショート

【シロクマ文芸部】から揚げにレモン

 「レモンから揚げに掛ける?」  タツヤが私に聞いてくる。今運ばれたばかりの熱々のから揚…

【シロクマ文芸部】あの夏の思い出

 風鈴と蚊取り線香とスイカ。これはおばあちゃんの家で過ごした夏の記憶にある物だ。  私は…

【シロクマ文芸部】海の日は花火をご一緒に

 「海の日を一緒に過ごして下さい」  僕にバイトの依頼が入ったのは海の日の5日前の事だっ…

【シロクマ文芸部】温泉デート〜ラムネの音

 「ラムネの音するから聞いてみて」  タケル君が私に言う。湯船の中の私の体にシュワシュワ…

【シロクマ文芸部】赤い傘・140字小説

+++++++++++++++ シロクマ文芸部に参加します💛 今週のお題は「赤い傘」です。 今回は140字…

【春弦サビ小説×シロクマ文芸部】さくらのーと

みゆです。 春弦サビ小説に参加します💛 こちらは、1作目のサビ小説です⭐ 春とギターの作…

【シロクマ文芸部】風薫る季節に

 「風薫るから始まる言葉を使って何か創作してくるように。それが宿題だ!」  国語の小牧先生はそう言って教室を出て行った。ゴールデンウイーク中の国語の宿題は「風薫る」を頭に持ってきた創作だ。小牧先生は時々こういう宿題を出すけど、今回は楽勝なんじゃないかと思えた。  ゴールデンウイーク中は部活に出たり、試合があったり、時には友達と遊んだりで何かと高校生は忙しい。そんなゴールデンウイークの最終日は部活もなく、友達との予定も入らない完全フリーの1日だ。だけど、いつもの癖で早く起き

【シロクマ文芸部】死がふたりを分かつまで

 「花吹雪の刺青入れてる人が出てくる時代劇って何だったっけ?」  「花吹雪というか桜吹雪…

【シロクマ文芸部×新生活20字小説】新しい私になっていく

 “変わる時が来た”と真希は今日から始まる高校生活を思い胸が高鳴った。 新しい制服を着て…

【シロクマ文芸部】朧月が照らす未来

 朧月が周囲をぼんやりと照らしている。境目のない曖昧な感じが現在過去未来をも朧気にしてい…

【シロクマ文芸部×夜行バスに乗って】卒業前夜

 卒業の日を迎える娘の晴れ姿を見るために、新宿へと向かう夜行バス乗り場に歩みを進める。距…

【シロクマ文芸部】モーニングルーティーン

 布団から手を伸ばして、目覚まし時計のアラームを止める。また今日も新しい一日が始まる。す…

【シロクマ文芸部】二人の冬の色

 「冬の色ってどんな色?」  息子の竣が画用紙を片手にキッチンで夕食の支度をしていた私の…

【シロクマ文芸部】これもひとつの愛の形~幸せな結末【オラヴ×みゆコラボ企画】

⭐このお話はコラボ企画で書いたお話の続きです。 ✙ ✙ ✙  詩と暮らす事になった時、俺はとても嬉しかったし、心の底から安心できるパートナーと環境を手に入れたと思った。詩は俺の窮地を救ってくれたとても大切な人だ。  俺は前の結婚で、心も体も病んでいたのだと思う。  元の妻は俺をATMとしか思っておらず、家庭の中は冷え冷えとしていた。そんな風だから、息子も俺を憎んでさえいたようだ。いったいなぜそんな風になったのか俺自身よく分からない。元の妻の事も息子の事も愛していたし、