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美容業界における「イノベーション」について考えてみた<#2016.7.14 業界向け&beaute d'Or専門家コラム更新記事>

美容×イノベーション

新たなイノベーションの時代。
美容業界ではおそらく前人未到と思いますが、独自目線による考察をしてみたいと思います。

●商品開発におけるイノベーション
美容業界でまず考えるイノベーションとは、商品開発におけるイノベーションです。
他業界で “nano” 技術が出てきて、美容業界に入ってきたのは2000年後半ごろでした。
その技術は成分をナノ化して、肌への浸透率を高めるというもの。
美容業界では、当時画期的なことでした。
ローションや美容液などスキンケア商材のみならず、ナノ技術を駆使した美容家電も話題になりました。そして今や、化粧品業界でナノ技術(カプセル化、高分子化、など)は当たり前になっています。むしろ、いかに小さく・浸透力を高めることが化粧品業界において技術開発にカギになっているといっても過言ではありません。

以前書いた「美容業界におけるビジネスモデル変革」でも、これが深く関わっています。
いわゆる化学的な開発(これもある意味イノベーションという)のほかに、これは稀に見るイノベーションとなりました。

今後、期待されているのが遺伝子。現状では、医療(再生医療)や健康分野において少しずつ進展が期待されている分野です。
開発上の技術というよりは、化粧品分野においては、遺伝子情報を元にした肌分析やアトピー・敏感肌など肌トラブルの改善へのひとつの指標となるのではないかと予想します。

●付加価値のイノベーション
付加価値のイノベーションとしては、近年私も多く述べてきた「環境」との関わりです。
それよりも前は、「ナチュラル・オーガニック」でした。
「環境」については、このナチュラル・オーガニックの成分を採用した化粧品開発のみならず、
成分の生成や製造段階、原料調達においても環境に配慮しているか(「環境配慮型」)、またパッケージや容器の処分・リサイクルなど使用後の消費者への呼びかけなどは、
これまでも化粧品業界では一般的なことになっています。
「環境配慮型」というのも、いわゆる“ナチュラル&オーガニック化粧品”にとどまらず、
従来のコスメにも基準や規格をクリアすれば、十分なアピールポイントと私は考えます。

近年では、”美容テック”に代表される、テクノロジーを駆使したイノベーションも出てきましたね。(美容×テクノロジーの記事を参照)
美容テックの革新はすばらしいものがありますが、化粧品業界にピタリとハマるものは私はないと思っています。
これからは、いわば開発以外のイノベーションしか考えられなかった化粧品業界で、このような”理にかなった”イノベーションから新しい価値創造をすることこそが必要だと考えます。

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