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様々な“パーソナライズド”の形。Gene-Beautyともいうべき“パーソナライズド・ニュートリション”市場の未来<#2018.04.16 業界コラム掲載記事>

美容×食×遺伝子

近年、化粧品業界でも騒がしいパーソナライズ市場。パーソナライズド・ビューティーが2018年ごろから新しいイノベーションとして注目をあつめ、さらに拡大しています。私が兼ねてより【革新的ビューティー論】の中で述べてきた「美容×遺伝子」が、いよいよ美容・健康業界にもまさに現実味を帯びてきたようです。

様々な製品開発、イノベーション、インフラ整備がされるなかで、その人のその時、つまりライフスタイルに合った製品提供をしていくことが、さほど遠くはない未来に訪れます。AIやビッグデータ分析と、本来の人を構成するDNAや構成遺伝子情報から、先天的にインプットされている病気などの可能性を知ることで、それを”予防”するために日常の食事を見直すことで、将来的に大きな変化(=健康維持)を得られるのではないかと思います。こういった”パーソナライズド・ニュートリション”という考え方が欧米の健康・美容業界でも少しずつ話題になってきました。

昨今のパーソナライズのトレンドに沿って考えると、ゆくゆくとても受動的に、かつ、きめ細やかに、パーソナライズド・ニュートリションが提供されていくということは、生活習慣病やその予備軍、また特定の疾患を持っている人、また自分でその知見がなく自給できない人にとっては、オートマティックに出てくるのはとても有益ですが、その一方でそれを基にして日常の食事までがすべて一方的に提供されるのはある種食事という温かみや本来の意味が失われてしまう可能性もあるので“行き過ぎ”には注意しなくてはならないでしょう。

“パーソナライズド・ビューティー”の今後は、以前も書いたアンチエイジング医療などのように、まだ遺伝子検査などが安価でないだけに、健康・美容意識が高い層において、また特定疾患でタイムリーなケアが必要な層などにおいて、伸びていくものと推測されます。遺伝子検査で基本性質を把握し、さらにその日・その時に必要なパーソナライズなニュートリション(栄養素)の推奨情報を受け取り、自分で選定した製品を効率の良いタイミングで摂取するようになるでしょう。
また、サプライヤー側としては、それにふさわしい製品開発のみならず、情報発信や管理ができるシステム提供などが必要になり、効果的にそのタイミングで摂取することを促すことになるでしょう。

ビューティーにおいても、健康において、その他の業界でも、パーソナライズの根源は、すべてライフスタイルに紐づくものになります。マーケティング的には、年代や趣味趣向のみならず、ライフスタイルというのも新しいセグメントとなっていくでしょう。

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