ダメでもスキ5

十六歳の時に初めて付き合った恋人は二年先輩のオタク男子だった。今から二十五年近く前に自力でPCを組み立て、インターネットならぬパソコン通信を駆使し、当時約何十万円もしたプリンターを持っていた筋金入りだ。

彼は風が吹いたら吹き飛びそうに華奢な男の子だった。今でいう中二病を患っていて、デートに喪服を着てエアガンを携帯するような困ったちゃんだったがしかし、オチ×チンだけは抜群に大きい。私の体験上過去ベストスリーに入る巨根の持ち主である。

経験上、個人的には筋骨逞しいマッチョ男性よりも細身男性の方が巨根が多いように思う。おそらく男根の根本に肉がついていないせいではないかと思うのだが、一見逞しさとは程遠いひ弱な男の子を一皮剥くとそこには目を瞠るほどご立派な持ち物が……ということがよくあり、そのギャップの魅力も相まって、私がオタク好きなのには正直そういう理由があることもいなめない。

しかも現代社会では彼らの持つ知識と技術は社会的な成功に欠かせない。スティーブ・ジョブズが学生に向けたスピーチで「オタクの同級生には親切にしろ、君たちの上司になるのだから」と言ったという噂であるが納得だ。
そんなわけで、私はオタク男子をイチオシしたいのである。


続く

※こちらは毎週水曜日スポーツニッポンアダルト面にて連載中のコラム「ダメでもスキ♡」の再録です。

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