ダメでもスキ22~高校時代の思い出

ダメ男も大概だが、それを好きな私も大概だなと思うことがある。

高校生の頃、付き合っていた彼氏が浮気をしたことがあった。しかも相手は一学年下の男の子、男同士である。

その後の交際状況などから見て彼らは恐らくノンケなのだと思うが、たとえ異性愛者であっても自意識の不安定な思春期の頃はそういう衝動に駆られてしまうことがあるものだ。もちろん、性的嗜好というのは流動的なものであり、愛の形は自由である。

これは今でも無神経だったと反省しているのだが、当時、私の周りにゲイの男の子はいなかった。しかも私は当時から「腐女子」。いわゆる、男性同士の恋愛が大好きでボーイズラブ漫画などを読み漁っていた。

大好きな彼氏の浮気相手が男の子だと知って、私は妙に興奮してしまった。盛り上がった。だから「浮気してゴメン。許してほしい」という彼に言ったのだ。

「許してあげるからひとつだけお願いがあるんだけど、二人がキスしてるところ見せてくれない!?」

今考えても、当時の二人は美少年であった。そんな彼らが、放送室の壁にもたれ、壁ドン状態でゆっくりと口付けをする……それは私にとって夢のような光景だった。ああ、イイモン見さして貰いました。未だに心の宝箱入りの思い出だ。


続く

※こちらはスポーツニッポンアダルト面にて水曜日に連載中の拙コラム「ダメでもスキ♡」の再録です。


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