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たとえ通知が鳴らなくても。

誰からの通知も鳴らない日、誰にも必要とされていないような気持ちになることがある。

もし話したければメッセージを送るか電話をかけるだろうし、会いたければ会おうと言うか、何か口実をつけて誘うものでしょう?と思うけれど……

でもよくよく考えてみると、わたしが誰かを思い、必要としているとき、相手の通知を鳴らしているのかといえば、まったくそうではないことに気がつく。

むしろ大切な相手であるほど、自分勝手なタイミングで相手の時間を邪魔することは気が引けるので、気軽に連絡することができないし、いきなり今日これから会おうだなんて誘うことはもっと難しい。

(ゆえに、そんなときにお互いのタイミングが自然と合うと最高に嬉しいのだけど)

多分わたし自身が、ひとりで集中したい時間を邪魔されることをひどく嫌うせいもあると思う。

「あの人はいま何してるのかな」
「これあの人が好きそうだな」
「今すぐこの話を伝えたい」

そうして浮かんだ考えは相手のスマホに届くことはなく、わたしの中にそっと仕舞われる。

だけど、見た目には何も起こっていないその瞬間、わたしは確実に相手のことを思い浮かべ、必要としている。

そんなふうに、スマホにメッセージを打ち込むことすらなく引っ込められた見えない思いはきっとたくさんあって、わたしもあなたも、自分の知らないうちに誰かに必要とされていたり、思われていたりすることがあるのだろうと思う。

そんな瞬間を今のこのときも知る由はないけれど、たとえ通知が鳴らない日でも、きっと自分が思っているほどわたしたちは「ほんとうにひとりぼっち」ではないはずなのだ。

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