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終活トーク #18【子の心、親知らず】

先日、50代のご夫婦から、未来信託のご相談を受けました。
一人で暮らしている奥様のお母様のご相談でした。

お母様は、一軒家に住み年金で暮らしています。預貯金はありません。
お母様が病気になったときや認知症になったときの介護資金を奥様は心配しています。

将来はお母様の家を売却して介護施設に入所する予定ですが、認知症になると家の売却は難しくなります。
成年後見制度を用いて後見人をつけても、不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要になりますが、ほとんどの場合、許可は得られません。

奥様はお母様の面倒を看るつもりですが、できれば家を売却して介護資金に充てたいと思っています。

未来信託は、家の権利は今まで通りお母様がもち、名義(信託登記)だけが、娘さんである奥様になります。奥様に名義を移しておくと、お母様が認知症になり介護資金が必要になったときに奥様は、スムーズに家の売却ができます。

また信託された家は、他の相続人には関係のない財産になりますので、揉めることなくお母様と奥様が決めた契約とおりに売却することができます。

信託契約は、「認知症と診断されたとき」「寝たきり状態になったとき」などと、条件をつけて作成するため、名義を持つ子が自由にいつでも家を売却できるわけではありません。

未来信託は、家庭裁判所に関係なく、財産を介護資金に替えることができる便利な契約なのですが、奥様がお母様に話すと「まだ元気だから」「縁起が悪い」と言われたそうで、契約は保留中です。


娘にしてみれば、一人で暮らしている母親の介護を真剣に考えた上での提案だったのですが、「子の心、親知らず」になったわけです。
現実は、親が倒れたら、必ず、子の手を借りなければなりません。
そして、この先何があるのかは誰にも判らないのです。
「まだ元気」ということは「先は元気なのかわからない」ということではないでしょうか。

ときには、子の話も素直に聞いてほしいなと思いました。

アシストライフ
https://assistlife.info

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