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終活トーク #1【親の建前と本音】

苫小牧市長生大学の終活の講師になって4年になります。
毎年テーマを決め事例を加えて話をしますと、「終活は大事」「やらないといけない」と口々に仰ってくれるのですが、そのあとに決まって「でも、まだ元気だから早い」で終わってしまいます。
長生大学の生徒さんだけでなく、一般の終活セミナーに参加された方の95%が同じことをいいます。
「今は元気」だからこそ「終活」しなきゃいけないのに、根拠のない元気を信じて何もしない人をみると、思わずため息がでてしまします。

子供に迷惑をかけたくない

終活は「自分のことで子供に迷惑をかけたくない」という思いから始まりました。
私の終活セミナーに来てくれる方も同じ気持ちだと思います。

だから終活に興味をもち、関心を寄せ熱心に話を聞いてくれます。ところが「まだ元気だから」と言って終活の準備を先延ばしにしている人が多いのも事実です。

口で「迷惑をかけたくない」と言いつつ、心の奥底では「いざとなったら子どもが何とかしてくれる」と思っているのではないでしょうか。

自分で準備することが4割

65歳からの終活は、自分で準備することが4割、残りの6割は誰かの手を借りることになります。

厚生労働省の2016年度のデータによると、女性の平均寿命は約87歳ですが、健康で生活できる年齢は約75歳までです。その差の約12年間は何かしらの介護を受けていることになります。

思うように歩けない、もしくは寝込んでいるときに、前向きに将来のことを考えて終活を準備できるでしょうか?

2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると言われています。認知症に罹ると、銀行の口座が凍結されてお金が下ろせなくなるので、そのために親の介護費用を子どもが負担することになるかもしれません。

子供に迷惑をかけたくないと言っても、介護が始まれば多くの人の手を借りることになります。
亡くなると、自分でできることは何も無くなるのです。

本当に子供に迷惑をかけたくないと考えているなら、自分でできる4割の終活を元気なうちにしっかりとやるべきです。
※2023年苫小牧民報掲載

アシストライフ
https://assistlife.info/

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