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緊急事態に思うこと。ちょっと真面目に。

2020.4.28. 犬神 明 / 犬神サアカス團

こんな事態になるとは予想してなかったですよね。ちょうど4月から新体制で動くタイミングでもありましたし、それに合わせてCD(『目障りな異分子×死に水』)も作ったし、4月から6月に向けてやるぜっていうところだったんでね。でも、組んでた予定が全部なくなってしまいました。

一時はちょっと気分が落ち込みましたね。去年の暮れから更年期が出て来ちゃって、気分が沈みがちだったりもしたのもあって。でも、だんだんそれも慣れてきてます。それにね、コロナの状況に関しては、あるイスラエルの学者があと30日で終息するって発表した人がいるの(笑)。それはないでしょって世間的には抹殺されてる情報だけど。

でもね、そういう方向には誰も考えてないじゃない? だから、いざあと1ヶ月で終わっちゃったら、あんたどうする?って(笑)。そういうことを考えて無理矢理にでもテンションを上げたいし、その覚悟もしておこうって、ここ一週間ぐらいは思ってます。急に終息したときに慌てるよりは、今準備しておいたほうがいいかなって。そんなことを考えてると、ここ数日やる気になってきました(笑)。それで今日のこのインタビューもあったから、ちょうどよかったです。

今って、バンドマンの100パーセントがライヴができないから、全ての人が配信のことを考えてると思うんだよね。我々もツイキャスをやってるし。自分たちも楽しみながらやれたらいいと思ってやってるんだけど。配信のやり方を多くの人が学ぶということが、コロナ以前とコロナ以降での大きな変化だよね。そこで何かできることは、今まで以上に出て来ると思う。zoomを使って、バンドのセッションをするとか。そういうことはこれからたくさんあり得るだろうという感じはしますね。

たとえば、メンバーがインフルエンザになって自宅待機になっても、それでもライヴができるとか。入りに遅刻しそうになったら、電車の中でベースを弾くとか(笑)。活用の仕方は無限にあると思うんだけど。それも取り入れていけたらいいし、取り入れていくんだろうな。

価値観というのはすごく流動的なものだから、これからはネットの中で完結するバンドが出て来ても全然OKなわけじゃないですか。それはつまりYouTuberなんだけど(笑)。でも、そこの明確な線引きなんてあってないようなものでしょ。ただ俺は、何が好きで音楽をやってるんだろうというところに立ち返ると、配信が好きでやってるわけじゃないというのは絶対ありますよね。ライヴ会場でどデカい音を出して、みんながビックリしてくれて、すごいねって、そこのカッコよさに毒されて自分も始めてるわけですから。

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ただ、いつになったらライヴができるかもわからないから、今はツイキャスとかをしながら、作品を作っていきたいですね。メンバーが集まらなくても、宅録みたいな感じで作品は作れるから。創作に関しては危機感はないです。これだけ環境が変わって、心境の変化はあるし、価値観も変わるだろうし。そこで表現に使う言葉も変わってくるだろうし、もっと有効な単語もあるだろうし。そういう意味での作品の変化はもちろんあってしかるべきだと思いますよ。作品はいろいろ作っていきたいし、それを通販していくんで、聴いてもらいたいですね。

編集長の日記
緊急事態宣言から、今日で3週間です。宣言が出たときは、さてどうしようかな…と思っていました。何をすればいいのか、何ができるのか、何か変わるのか、ただ家にひきこもってさえいればいいのか。とにかくできることを、と始めたのがこの日記です。
正直なところ、この緊急事態にもあまり実感がなかったのですが、毎日いろいろなミュージシャンの方とお話するうちに、考えさせられたり、目の前につきつけられたり、本当に少しずつですが、このコロナの時代の手触りを感じ始めているような気がします。

インタビューという形を通して、アーティストがSNSなどで直接届ける言葉には乗らない“何か”を届けられたらと、コツコツがんばっています。その“何か”を受け取れた、と感じてくださったらぜひサポートをお願いします。大きな大きな励みになります。