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がっかりしていたわけじゃなかったのね

 おそらくバレているとは思うのですけど、伴侶さんの家族・親族にはまだカミングアウトしていません。するときは伴侶さんからすることになっていて、まだためらいがあるみたいです。「そろそろしないとね」とは言ってくれますが・・・

 ということは、それ以外はカミングアウトは済んでいるということです。私の場合はラッキーなことに、それで家族も友人もお仕事も失ってはいません。本当にありがたいことだと思っています。

 一昨年の暮れに弟夫婦、続けて年明けに両親にカミングアウトできたときは、胸のつかえが下りた気がしました。その後は、人が離れても仕方ないと覚悟を決めて、一大カミングアウト祭を決行したのです。

 もう縁が切れているところはどうでもいいので、そちらはホームページやFacebookに公開することで済ませたつもりでいます。まだしていなかった、つなり一番縁が切れたくないお友達にもとうとうカミングアウトしました。

 ちょっとだけためらっていたのは、中学のクラス会です。こちらは3年間同じクラスだったものですから、仲が良くて、いまだに定期的に先生もお呼びして飲み会などをやっています。ここ数年は開催していないのですが、来年は還暦だから、もしかしたらクラス会があるかもしれません。参加するならやっぱり今の姿を見てほしいので、どこかでカミングアウトしないといけないなと思っていました。

 そんなときクラス会の幹事さんから、先生が文集を作りたがっているので(数学の先生なのですが、和文タイプが得意なのです)、近況報告をしてほしいと依頼があったのでした。

 幹事さんに送ればいいのでしょうけど、私はこれは天が与えた機会だと思い、メーリングリスト宛に、近況報告としてカミングアウトすることにしました。

 来年還暦なのに、男子・女子という言い方もちょっと憚られますが、中学の同級生って永遠にそんな感じがあります。「今度のクラス会、女子は誰が来るの?」みたいな。

 それでいくと、男子からはまったく反響がありませんでした。仮に私が「ノーマル」な男で、友人から実はトランスジェンダーでしたと言われても、どう反応していいかわからなかったと思います。黙って見守るのが友情みたいな感覚です。その辺は私も元「男子」なので、理解できます。

 女子は数人がリアクションしてくれました。みんな「別に変わらず友達だよ」と言ってくれました。女子らしい思いやりだと感じます。

 ところが、大学時代にクラス会で話が弾んで、その後デートし、「実は中学のとき好きだったんだよ」と打ち明けてくれたSちゃんからはまったく反応がありませんでした。

 そんなことを打ち明けられたので、私もちょっと淡い恋心を抱いたのに、実は彼氏がいて、大学を出てすぐぐらいに結婚したのです。でもその後もたまーに飲みに行ったりもしていました。

 Sちゃんの名誉のために言っておくと、「焼けぼっくいに火が」なんてことはまったくありませんでした。それどころか、昔から何もなかったんです。ただすごく淡い微妙な2人だけの感じだけがあって、それって何だか大切にしたいなあとずっと思っていたのです。

 何だろう。恋とかでもないです。だから伴侶さんに対して、後ろめたいみたいなことはないのです。女友だちと飲んでくるねぐらいの感覚で、秘密にしたこともありません。それはおそらくSちゃんも同じだと思います。

 まあそういう関係だったので、これはがっかりされちゃったのかなあと思っていたのでした。

 まあSちゃんとは一生会えないかもしれないけど、それはそれで仕方ない、むしろ今までカミングアウトがうまく行き過ぎただけだと、私は思うことにしました。

 さて、昨晩のことです。トイレに行きたくなって夜中に目が覚めました。ふとスマホを見ると、「久しぶり! 実は最近になってカミングアウト⁈を知りました。」というメールが来ているとの通知が目に入りました。

 差出人の名前が書いていませんが、何だか親しげな感じです。数行呼んで、Sちゃんからだとわかりました。

 メールには、女になっても大切な友達だとか、最近Sちゃんの女友だちが亡くなったり、病気で話せなくなったりしていて寂しかったので、新たに女友だちができるのは歓迎だとか、久しぶりに会って話をしようとか綴られていました。

 私は嬉しくて、もう寝ていると思ったのですが、すぐに返事をしました。そしたらすぐに返事が来て、都合3往復のやり取りをして、会う日を決めたのでした。

 ちょっと気合い入れてお洒落して、いいところでランチしようって、まさに女友だちの会話です。私はそのあともうワクワクしてしまって、しばらく眠りにつけませんでした。

 今年一番の幸せかも。

 考えたらすごく不思議ですよね。そもそも男女の友情みたいなのが続いているのも不思議なのに、そのうち女同士の友情みたいになっちゃって(笑)。女子って柔軟だなあと思います。

 振り返ると、私の微妙な気持ちというのは、Sちゃんと女同士の友達になりたかったということだったのかもしれません。

※トップ写真は私のマツパのアフター写真です。Sちゃんが、サロンでまゆ毛の手入れはしているんだけど、マツゲは思い切れなくてと書いてきたので、私はマツパしてるよと送ったのでした。


自分のしたいことと向き合うことで、わたしはしあわせになれたと思っています。わたしの生き方を知って、ちょっとでも癒やされる人がいればいいなあという気持ちで書いています。スキやフォローは本当に励みになりますので、よろしくお願いいたします。