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奈良に行くなら[1]〜飛火野編
奈良、飛火野。私の奈良旅はほぼ毎回、ここから始まります。JRもしくは近鉄奈良駅から奈良交通のバスに乗って「春日大社表参道」で降りると、目の前に広がる芝の原。若草山や御蓋山(春日山)を一望できるスポットです。
飛火野の名の由来は、春日の大明神が鹿にのって春日大社神苑にお着きになった際、足元を照らすために灯した道明かりが消えずに飛び回ったことによるのだとか。
また元明天皇の時代、この場所に狼煙(のろし)台があったことにもよるようです。「あー…元明天皇て何した人だっけー…」と検索してみると。かの天智天皇の娘で、710年に藤原京から平城京に遷都を行ったのが、この元明天皇。和同開珎を発行するなど、奈良時代初期に新しい都の政治基盤を整えた天皇である、と。へーーー。そして藤原不比等を重用したことでも知られると。出ました!ふひとさん!
広大な春日野の一部である飛火野は、かつては御蓋山を仰ぐ祭祀の行われた場所でもあるそうです。
飛火野に降り立つと、千年以上も前に生きた人たちもこの景色を眺めていたんだな〜。その時代からずっと受け継がれているものがここにはあるんだな〜、と感じることができます。そんなコトを想いながら、ここのベンチに座って、鹿ちゃんたちを眺めながらただぼーっとするのが、私的奈良旅のスタートなのです。
天の原 ふりさけ見れば 春日なる 御蓋の山に 出でし月かも ー阿部仲麻呂
仲麻呂の脳裏にあったのはこの景色だったのかな…などと思いつつ。
鹿といえば、奈良の風物詩である『鹿寄せ』が行われるのも、ここ飛火野です。森の奥から鹿たちがわーーーっといっせいに駆けてくる様子が見られるのも、奈良ならではの光景でしょう。
飛火野を歩いたら、キレイに切り揃えたおかっぱ頭のような樹木のディアラインにも注目してみてください。これは鹿ちゃんたちが、届く範囲の葉っぱを食べてしまうためにおこります。タイミングがよければ、後ろ足でにゅ〜んと立ち上がって葉っぱをもぐもぐする鹿ちゃんに遭遇できるかもしれません。
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森を抜けたところには、鹿たちの保護育成をする鹿苑もあります。この一帯に住む鹿たちは野生動物なので、人間に飼われているわけではありませんが、怪我の治療や、妊娠中のメス鹿の一時保護など、調査研究を含む保護事業をされている施設です。
鹿苑の脇に設置されている自販機では、鹿愛護会への寄附ができるボタンもついています。自販機で飲み物を買うついでに、少額からでも気軽に支援ができるのは良いですねー。(募金ができる自販機は飛火野だけでなく奈良公園〜商店街各所にあります)
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朝の清々しい空気を体いっぱいに吸い込みながら、「あー、鹿ちゃ〜ん♡おはよー!」なんて言いながら芝生を踏みしめて歩く。
午後の光もいいけれど。月夜のお散歩もいいけれど。朝イチの飛火野!おすすめです。
↓奈良を拠点に活動される保山耕一氏による映像詩 「奈良、時の雫」シリーズ。美しい世界。
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