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奈良に行くなら[12]〜唐招提寺編

奈良市街からも近く、比較的アクセスが良いのが西の京エリア。このエリアにある代表的な寺院のひとつが唐招提寺です。

こちらの金堂は奈良時代から残っている貴重な伽藍で、金堂として建てられた創建当時のまま、今も金堂として残っている唯一の建物だそうです。

修理は何度か行われていますが、中でも大規模修理となった江戸時代と平成の修理の跡を柱に見ることができます。木材は傷みのひどい部分を切って継ぎ足すわけですが、柱の場合、その材の違いが位置的にも間近に見られるので、ぜひ注目してみてください。

唐招提寺で大事にされているのが梵網(ぼんもう)経の教え。その経典の序段で説かれている仏教の考え方を、唐招提寺長老の西山明彦氏がお話ししてくださったことがありました。宇宙には星々が遍満していて、地球はそのひとつに過ぎない。そのすべてを司る太陽神がいて、その太陽神が宇宙の真理を司っている。これは神と仏教の考え方が一体にならないと説明ができないことであり、今で言う神仏習合のスタートがここにある、と。このお話を聞いてから、私はこのお寺が益々好きになりました。

宇宙の真理を司る太陽神を表現したのがご本尊の盧舎那仏。盧舎那仏といえば...有名なのが、そう、東大寺の大仏様です。盧舎那仏をご本尊にしているのは東大寺と、ここ唐招提寺だけ。東大寺も梵網経を使うんだそうですよ。

広い境内、見どころはたくさんありますが、個人的には開山御廟(鑑真和上御廟)で風に吹かれるのも、外せないコースのひとつ。たゆたう時を感じられるとてもよい空間です。

そして。このおててのみちみち感がたまらなく好き。


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