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BABY, COME BACK!

夏の風物詩

夏の風物詩と言えば...スイカ、風鈴、冷やし中華、海にプール、カキ氷、盆踊り、夏休みの宿題、そうめん、浴衣、うちわ、花火、それからそれから…

11歳で片足突っ込んで、今や肩までどっぷりアルフィー沼に浸かっている筋金入り?のアルフィーファンとしては、夏と言えば「夏のイベント」に尽きます。毎年夏に開催される大規模コンサート、全国各地からファンが集まるライブ、それが夏のイベント。略して「夏イベ」。

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THE ALFEEのみなさん、実に30年以上、夏イベを開催してきています。2009年までは野外で行われることが多く、82年所沢航空記念公園を始め、10万人を集めた86年の東京湾13号埋立地、オールナイトコンサートとなった87年の日本平、まだ開発される前の横浜みなとみらい地区など、各地でたくさんの思い出を残してきました。

夏のうだるような暑さの中、最寄駅から会場にたどり着くまでの道のりにヘロヘロになったり(開発途中の地は往々にしてアクセスが悪い)、2日間に渡り雨に打たれた年、強風に泣いた年など野外ならではの試練も数々ありました。木に視界遮られてなんも見えなかったよ〜…とかね。それも今となっては良い思い出。何より吹き抜けていく風の心地よさ、海風の匂い、踏みしめた芝の感触、夕暮れから闇が迫りやがてステージ照明に染まる空の色、みんなで見上げた打ち上げ花火、そのすべてがライブの思い出とともに、そこでしか経験し得なかった特別な情景となって今も脳裏に焼きついています。

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そんな夏イベも、毎年の恒例行事としては、2009年に一度正式にピリオドが打たれました。

…夏は終わった…

もうあの夏は来ない…

虚無感に襲われながらも時は経ち…

意外にも早く、まさかの3年後、2012年に復活!!やたっ♪

屋内の会場に場所を移して、横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナなどで開催されるようになりました。結果的に14年からは毎年開催され、ファンにとっては変わらぬ夏の風物詩としてすっかり定着していたのです。

それが2020年夏、絶たれた。いや、正確には無観客配信ライブとして成立した…のだけれど...無観客…配信ってさ…いや、嬉しかったんですよ、めっちゃくちゃ!でもね…という……………

無観客から有観客へ

夏イベのみならず、これまで休むことなく続けられてきた春・秋のツアーも全公演中止、ライブができない状況が続いていた中、6月21日に発表されたのが2021年夏のイベントでした。なんと久々の有観客!

キラーーーン! きぃ〜たぁ〜〜!! とうとうこの時がぁあああー!

ここのところ諦めることに若干慣れつつあった私は「有観客で」というこの発表に正直驚きもありました。私個人としては単純に嬉しかったのだけれど、賛否両論があったようで。反対意見も確かに否定はできないと思ったし。そういった意見をも受け止めるお覚悟だったことでしょう。それでも今、やれるコトを、やれるカタチでやるのだ。そんな意志を感じました。

それに『BABY, COME BACK!』とは。サイコーのイベントタイトルじゃないか。

昨年の夏、バンドの代表作「星空のディスタンス」の歌詞を一部変更し、

”星空の下のディスタンス、守ろうよソーシャルディスタンス”

と歌って私たちを湧かせてくれた彼ら。今度は、この同じ曲の歌詞をイベントタイトルに掲げ戻ってくる。さぁ、みんなであの場所に戻ろう、と。

この状況下での開催に関して、制限はやはり...数々あり。細かく記載された注意事項を一言一句読み飛ばさないように丁寧に読みました。それぞれの事情で行きたくても行けない人がいる以上、手放しで喜んではいけないとも思ったし。私自身ももちろん不安がまったくないわけではない。けれど自分なりに考えて、やはりこれはGOだと。私の中ではGOしかない、と決めたわけです。

有観客の中止、無観客の収録へ

ライブを3週間後に控えた7月9日18時。有観客公演中止の一報が流れました。合わせて、無観客で収録し後日配信します、と。楽しみにしていただけに、落胆は...隠せなかった。ここ数日、感染状況が悪化し、再度の緊急事態宣言発出が検討されていたため、ある程度予想はしていました。開催か中止か。「もしかしたらダメかもしれない...」「もしかしたらできるかもしれない...」信じたい一心で気持ちは行ったり来たり。その矢先の発表でした。あぁ、やっぱり...。

でもこればっかりはもうしょうがない。一番残念に思っているのは他の誰でもなくメンバーのお三方だ。私たちはただため息をついていれば済まされるけれど。そして大変なのは、プランBへの切り替えを余儀なくされたメンバー&スタッフのみなさまー!

”やれるであろう範囲を想定して準備を進める。やれなくなった場合のプランBを保持しつつ...” きっと有観客のイベントを発表した時点から、あらゆる可能性を考慮して、準備は進められていたのだと思われます。とはいえ急ピッチで、無観客での収録・配信への対応に追われる現場を想像すると、それはもう本当に…気持ちで応援することしかできないのがもどかしい。

みんながいないセットリスト

ライブ前日の夜、高見沢さんは「みんながいるセットリストと、みんながいないセットリストは違う」と語ってくれました。そやろなぁ…。それは彼らのステージを見た方なら想像がたやすいでしょう。

無観客に切り替えてからの短期間で、セットリストを組み直し、リハーサルを重ね...。セトリが変わるということは、照明プランも変わる。曲によっては楽器だって変わる。そりゃ、大変!なんてもんじゃないよね、と思うのです。

今だからわかることとして、中止判断が下ったその後、状況は更に悪くなり、あの時点での中止判断は最良の選択だったように思います。ただたとえ状況が良くなっていて「やれたじゃん」という状況であったとしても、私は協議の結果出された判断を100%支持したい。それがこの不安定な情勢の中でも公演を実現させるべく情熱を燃やし続けるミュージシャンと、現場で奔走するすべてのスタッフのみなさんに対する敬意。

Going My Way

ライブができない日々が続く中で、ふと何気なく聴いたこの曲に改めて心を奪われました。「Going My Way」。もともとは2003年に発表されたアルバム『Going My Way』に収録されたタイトルチューン。この曲には、4年後のシングル「Lifetime Love」のカップリングとして収められたライブバージョンがあります。臨場感と疾走感溢れるボーカルに、LIVE感に満ちた演奏!間奏から後半にかけてはもう涙が出るほど…

切ないけれど無観客ではこれは生まれないから。またこんな演奏が聞ける日を、客席からもステージを盛り上げられる日が一日も早くやってくることを、ただひたすらに信じて待ち続けます。


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