見出し画像

奈良に行くなら[13]〜天河大辨財天社編

いたくミーハーなきっかけで奈良に通うようになった私ですが、実は通い始める前から行きたかった場所がひとつだけありました。それが奈良県吉野郡天川村にある天河大辨財天社です。

奈良の各所を巡るようになってますます「やっぱり天河神社にも行ってみたーい!」と思いながらも、なかなか辿り着けずにいたのは、やはり山深さ...でしょうか。土地勘がないので無邪気に自宅からダイレクトに乗り換え検索かけたところ、え。6時間? え? 新幹線乗ってるよね。はいはい。新横浜〜京都間はのぞみ乗るんだよね。え? あ。京都までより、京都から先の方が長いやん。あぁ、バス乗るのか。でバス降りてから徒歩39分...なんじゃこりゃ...と。そこでちょっと時間をずらして再検索してみると...出ました。バス降りて徒歩1分。あるじゃ〜ん♪ てことは問題はバスなのね。ではバスの時刻表をチェックし...で絶句。「天河大弁財天社」を通るバス、1日に3本しかなーい!これはなかなか大変ですね...と二の足を踏んで...踏んで。踏みまくって。何年が経ったでしょう?ようやく辿り着けたのでした。

初めて訪れたのは2012年。この年『復興音楽祭』が開催されたのですが、前年にこの音楽祭関係者の方とたまたまお知り合いになる機会があり。その方に「音楽祭を見に来ませんか」と声をかけていただいたのがきっかけで、ならばー!と意を決して向かったのでした。

当時、東京駅直結のビルに勤めていた私は、金曜日の夜に東京を出発。京都で近鉄京都線に乗り換え、1時間ほどで橿原神宮前駅に到着しました。駅前のホテルに泊まって、朝イチで橿原神宮前を出発。近鉄吉野線で電車に揺られること30分ほど、下市口へ。ここから8時台のバスに乗って、やっとのことで到着です。

画像3

2011年9月、紀伊半島を台風12号が襲いました。この歩みの遅い台風がもたらした豪雨により、観測史上最大の降水量を記録することとなります。天川村でも、降り続く雨で河川が増水しているところに、谷の山腹が崩壊。土砂が天ノ川の流れを変えてしまい、更に深層崩壊が発生。大量の土砂が河道を閉鎖し、みるみる浸水してきた河川は、ほぼ地区全域を冠水させてしまいました。2階部分まで浸水する家があったそうです。

神社の本殿や拝殿は被害を免れたようですが、境内には濁流が溢れたそうです。1年が経ち、災害直後からの支援に対する感謝と、尊き生命への鎮魂、そして完全なる復興への祈願を込めて開かれた音楽祭でした。

画像1

音楽祭は神楽殿で行われたわけですが、観客が舞台に向かって座ると、拝殿を背にする形になります。私たちの後ろから拝殿の階段が伸び、その奥にご本殿。神々がお祀りされているわけです。

プログラムが進むにつれ、私は何だか不思議な感覚にとらわれました。

「まんが日本昔ばなし」テレビでこのアニメを見ていた世代も今や結構限られてきているようですが。私バリバリ見ていた層でして。あの中で、たまに神さまと人間が宴会を開いて、一緒に歌ったり踊ったりするシーンがありませんでした? 記憶違い?…かもしれないのですが、なんだかそんなシーンをふと思い出したのです。

拝殿の上から神さまたちが降りてきて、私たち人間とともに音楽を楽しんでいる。もしくは私たちの意識がカラダからちょっとだけふわふわと離れて神さまとダンスしたような...そんな気がしてなりませんでした。

ま、ま。ただの気のせい、でしょうけどね。

画像3

2度目は、運転に慣れた友人がレンタカーを借りて、大和八木駅から車で連れてってくれました。めっちゃ楽ちんでした〜。また連れてってくださいー!(誰に言ってんだ...w)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?