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大手企業社員からスタートアップ企業へ。20代で大きな決断をした松尾真里が語る、想像力を持って仕事をする大切さとは

本noteは、オンラインキャリアスクール『SHElikes』のWebライティングコースのうち、インタビューライティングの課題で執筆いたしました。添削より加筆・修正しております。
■課題概要
インタビュー映像を見て、取材原稿を書いてみよう
・テーマ:「仕事をするうえで大事にしていること」
・想定媒体:Woman type
・想定読者:Woman type の既存読者・潜在読者
・字数:2,000〜3,000字程度
・与えたい読後感:明日からまた仕事を頑張ろう、私も何か挑戦したい

SHElikesライティング課題BOOKより一部引用

「結婚や出産などのライフイベントで、キャリアから一瞬離れたとしても『ここまでやってきた』と思える”紋所”のようなキャリアを、20代で築きたい」

そう語るのは、リクルートホールディングスに新卒入社し、現在はSHE株式会社で女性向けのマネースクールSHEmoneyのブランド責任者を務めている松尾真里さんだ。

そんな彼女が仕事をする上で「想像力を持つ」ことの重要性、大手企業での苦い経験や、新規事業特有の苦労を通して語ってくれた。


違和感に気づいたら、一度立ち返ってみる

ーー現在、ブランドの責任者という立場で「自分が折れたらいけない」っていうプレッシャーも大きいと思います。でも踏ん張るのが難しいというときは、どのように乗り越えているのでしょうか?

まず、挫折しそうなときは目的に立ち返るようにしています。「そもそも今、目の前でやってることは、何のためにやっているのか。それは必須なのか非必須なのか」と必ず考えていますね。目的が見えたり必須だと分かれば、やらない理由がないので奮い立たせています。

ーー自分が正しい位置にいることを整理し直すんですね。それでもきついときは、メンバーとのコミュニケーションはどのようにしているのでしょうか?

あんまり格好つけずに「正直ここ行き詰まってるんだよねー」とか「なんかつらーい!」という感じで明るく話しちゃいます(笑)。するとメンバーも話を聞いてくれるんですよね。悩みを1人で解決しようとするときついですが、シェアするとかなり負担が減ると思います。

ーーもともと悩みを仲間にシェアできるタイプだったのでしょうか?

いえいえ、塞ぎ込むタイプでした。ですが、リクルート入社3年目で大きいプロジェクトのプロジェクトリーダーを任されたときに、チームが崩壊してしまったことがきっかけで変わりました。

当時は誰にも相談しないで、自分だけでプロジェクトの進め方ややることを決めていました。自分のスタイルとちょっと違うと感じていましたが、リクルートのリーダー像でいうと引っ張っていくリーダーが正解だと思ってたんです。

でも、一生懸命頑張りましたが、ハレーションが起きてチームが崩壊してしまったんです。さらにお肌が大荒れするほど強いストレスも感じていました。

そこで一度立ち止まって、リーダー像を考え直すことにしたんです。リーダーには、リーダーシップを発揮するタイプとフォロワーシップを発揮するタイプの2種類があってもいいのではないかと。

私は後者なので、メンバーや仲間を頼るようなコミュニケーションにガラッと変えてみたんです。するとチームが機能して、結果的に成果を出すことができました。自分の違和感にちゃんと気づいて、立ち返ったことが大きいですね。

ーーご自身で違うリーダー像を考え直したときに、助言をくれた上司はいたのでしょうか?

いましたね。「どうしてうまくいかないんだろう」と思っていることを、ありのまま上司や信頼している先輩に相談しました。この経験が今のコミュニケーションに活きています。

意識して余白をつくり、想像力を働かせる

ーー過去の苦い経験から変わったんですね。現在、ブランド責任者としてチームのマネジメントをする際に、大事にしていることは他にあるのでしょうか?

コミュニケーションの中で1番大事にしているのは、心理的安全性です。普段からいろんなアイデアが出やすいような雰囲気作りをメンバー同士で意識しています。

新規事業って混沌としているんです。そんな中でも頑張れる指標として、事業としてやりたいっていうwillと個人が持ってるwillの重なりがあることがすごく大事だと思っています。なので、社員や業務委託、副業で入っている方全員に対して、コミュニケーションをとるようにしています。

ーーなるほど。一対一で根源的な部分を確認するのは、コーチングに近いですね。ただ、心理的安全性を意識していても、なかなか相談できないメンバーもいると思います。気付いたときはどうやって寄り添っているのでしょうか?

本人の想いを絡めて、目的の視座を一段あげることを意識しています。たとえば「成果を出したいという気持ちが軸としてあって、いろんな人の手を借りてもっといいものが作れるなら、人に頼ることは悪いことではないよ」といったイメージです。

こういったメンバーの気持ちに寄り添えるように、定期的に相談する場を設けるようにしています。定例以外にも表情やちょっとした表現を感じ取って、最近悩みがありそうだと思った瞬間に、それとなく「ちょっとご飯行く?」と誘って、一対一の場を設けるようにしています。

ーーいやあ、素敵な上司ですね!そうやって人の感情に敏感でいたり、想像力を働かせるには余力が必要だと思っていますが、そのために普段から意識していることってあるのでしょうか?

私の尊敬する上司から学んだのですが、暇な時間をつくることをタスクとして管理しています。上司はとても忙しい人だったんですが「ちょっと今良いですか?」って相談すると絶対に話を聞いてくれる方だったんですね。

なぜできるのか疑問に思って聞いてみたら、暇な時間をつくるっていうことをタスク管理していると。私もタスク処理のスピードを早めて、時間の余白をつくるようにして日々意識しています。

仕事は必ず次に走る人がいる「バトンパスリレー」

ーーリクルートでの経験や現在のSHEmoneyでも、いろんな経験とかいろんな言葉を受けてここまでこられたんだなと感じました。その中で、自分の働き方・意識や仕事に対する姿勢が一変した出来事はありますか?

想像力を持って働くことが自分の教訓になった出来事があります。実は、新人時代は想像力を一切持たずに、自分のタスクしか考えていない状態でした。「自分が終わったあとのことは知らない」というスタンスで仕事をしていた時期があったんです。

とある納品がある仕事があったのですが、想像力を働かせなかった結果、期日を守らなければいけないところ、勝手に期日を延ばしてしまっていました。次の方が短納期で仕上げてくださったので最終的な期日には間に合ったのですが、結果として最終アウトプットの品質が下がるだけでなく、周りの人達全員の信頼を失うことになってしまったんです。

当時の上司からは「今、松尾の信頼残高ゼロじゃなくてマイナスだから」と厳しい言葉が。周囲からも「松尾と仕事すると、事故るぞ」というネガティブイメージを持たれてしまい、すごく辛かったです。

そこからは、こんな辛い思いはもう二度としたくないと、信頼貯金を作るように努力しました。新人でスキルがなかったので、まずはスピードで勝つことで信頼を積み上げるようにしました。

その間にスキルを身につけて、早くクオリティが高いものを出すということを、地道に1年ぐらい継続しましたね。その結果、先程のプロジェクトのマネジメントを任せて貰うことができました。

ーー失った信頼を貯め直すことは大変ですよね。

本当にそうです。厳しい言葉を受けて、仕事というものは自分のタスクで終わりではなく、必ず次に走る人がいる「バトンパスリレー」なんだと痛感したんです。

バトンの渡し方も、次の人が走りやすいように渡すっていうことを当たり前に考えること、つまり相手への想像力を働かせて仕事に対峙することが大事なんだと学びました。この経験が、今の自分の教訓となっています。

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