ミラノコレクションに出たら、クレカがピッピ言ってて草

この記事は前回の続きです。
前回の記事を読んでから見るともう少しだけ楽しめるかもしれません。
前回のお話はこちら!


なんやかんやあって世界四大ファッションウィークの一角で、ウィメンズ・キッズの頂点とされるミラノファッションウィークでショーに出ることになった。

よく分からない方向けにファッションウィークをすごーく雑に説明すると、各ブランドさん達の「これからしばらくはこんな感じでやらせてもらいます。寄ってらっしゃい見てらっしゃい、買ってらっしゃい着てらっしゃい!(※ただし分かり手に限る)」というお祭のようなものだ。

つい最近まで普通の人ごっこをしていた私(実際は挙動不審)が人様の前で歩いてキメるだなんて、正直問題笑止千万(語呂がいい)。でも出るとなったのだから、出来るだけの練習はしておかないとお話にならない。

奇妙な話だが、部屋を引っ越す時期と重なっていた。そして実家ではパパが脳梗塞を発症し、さらには家の水道が破裂して部屋は水浸し。色々なことが重なっていてタイミングとしては最悪とも言える状況だった。

なんとか全てを諦めないために。とにかく慣れるために12cmのヒールで日常生活を送った。
177+12=189。これが街中を徘徊してるのだから変な目は向けられていたに決まってるけど、もう私は気にならなかった。かつてあんなに悩んでいたことがこんなにあっさりクリアするだなんて。適材適所(!?)というか。キュウソネコカミというか。ちなみにこの記事書いてる2023年9月27日帰りの飛行機現在、足の指先の感覚が戻らなくて必死に揉みしだいてる。

わしの家、これ。いけてます?


まぁでもこういうのって、1ヶ月練習したところで身につかないし、せいぜい初心者の域を少し脱したかとか、ギリギリ粗相は起こさない程度になれるかとかいったところだ。
ただ、必要なのは最善を尽くしたという自負だ。もしかしたら、余計な緊張を防げるかもしれない。

課題はこれだけではなかった。次は経済的課題だ。素人同然で特に経歴もない私が、ミラノでショーを開催することができるようなデザイナーの作品を着て歩くのだ。仕事というより名誉案件といった表現が近い。当然旅費生活費は自己負担である。
そこで、先程の状況を思い返してみてほしい。引越し+漏水+看病、これつまり。

HASANです。

口座残高、いけてます?



出費は重なりますね本当に。
というわけで、生き続けるために一番安い航空券と一番安い宿を手配したところ、中国を経由した便で、名前も知らない人たち6人部屋となった。これが後にパニックになることになるのだが、この時の私は知る由もない。

中国って、LINEもXもInstagramも Googleも使えないんですね……
Yahooのトップページと記事は閲覧できた。ということはコメントも中国から打てる…なんて北京首都国際空港からインターネットの影響範囲について考えたり、英語ではみんながよく使うあれが"The" Internetと表現する理由も再確認したり。

めちゃくちゃ広いのに誰もいない不思議な北京首都国際空港



6人部屋のドミトリーって、個人ロッカーもない場合あるんですね……
あとお兄さん、見知らぬ人ばっかの部屋の爆音アラームで寝続けるメンタル私に分けてください……

Hi, Time to get up!



閑話休題。
そんなこんなで満身創痍でミラノマルペンサ空港に辿り着いた。そのまま、フィッテングに向かう。バスで行けば市街地まで10€(1600円くらい)でいけたが、30kgの荷物を持ってた私にはバス停を見つける力は残っていなかった。結局、13€(2000円ちょっと)出して電車に乗った。少し前なら電車でも1500円くらいの感覚だったのに、円安こえ〜〜……

おはようございます、仕事の時間です。



そんなこんなでなんとかフィッテング会場に到着。地下鉄から地上に出るのに階段しかなくて困ってたら紳士がスーツケースを持ってくれた。システムが優しさで支えられている……
会場に続々とモデル達が集まった。
前回のオーディションの時とは違う。確かに格は感じたが、それ以上に彼女達に気圧されてはいけないと思えた。

会場綺麗だね〜


ここで(今回の)フィッテングについて簡単に説明する。デザイナーさんが作った作品に合うモデルを"選ぶ"のだ。
つまり、全く出られないというわけではないが、オーディションという側面があるのだ。

偉そうに語ったけど、私はこの意味について途中まで理解できていなかったし、理解したつもりになった後も、2日目にさらに痛感することになる。選んでもらえたこともあったが、ギリギリで外されたこともあったし、押しが足りなかったことはたくさんあった。

実際に歩かせてもらった作品達については文字だけで語ると色んな人に失礼になる。ここからは、Instagramを見てほしい。近いうちに上がります(露骨なInstagramへの誘導、どれも色んな人の想いが詰まったものなので是非ともみてほしい)。ありがたいことに自己満足の域を超えていっている。

Instagram
@future_forever_m

フィッテングの時に撮ってもらったやつ


色んな反省や後悔があれど、ほんの少しの感慨深さを覚えながら、二日間のショーが終わった。最後の1日はウィンドウショッピングと何年後かのステップアップのための布石に費やした。ミラノの街はショーケースから作りがすごいですね、ワクワクした。私がまだ浮かれてただけかもだけどね。

少し、めちゃくちゃどうでもいい話。日本人は正直ちょっと舐められてるかもしれない。観光気分で最終日を散歩していたら、真顔で「F××kしませんか」と言われた。それも2回。なんでも迎合すればいいというものではないことをなんとなく覚えていてほしい。

そして帰りは無事にバスで帰れた。3€獲得🤞ピザ美味〜〜🖤


ミラノでジョジョ立ちする引きこもり



最後に、このチャンスが見える段階まで応援してくれたミックスチャンネル介護班の皆さん、機会を下さったトップモデルさん、意味がわからないと言いながらも引き止めはしなかった家族、ショーの運営さん、デザイナーさん皆様本当にありがとうございました。

ここからもこの規模感、それ以上で活動を続けられたらなと思います。引け目を感じるみんなに届け。

それでは皆様、次回『ドバイ騒動編(仮)』でお会いしましょう。良い一日を。

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