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ヒカゲノカズラって知ってますか?

先日、今年初めてのお茶のお稽古に行ってきました。
茶道をされている方はご存知でしょうが、年初めには初釜という社中(同じ先生に学ぶ者)内での茶会が稽古初めとなるのが一般的です。
ですが、土曜日曜に仕事を休むことが難しい私は、初釜になかなか参加できません😞

そんな私のために、一旦片付けていた初釜の正月飾りをしつらえて直して下さいました✨

これまで柳の枝を輪に結んで垂らす「結び柳」はよく見かけたのですが、今年は先生が一度してみたかったというヒカゲノカズラを使った飾り。

ヒカゲノカズラとは

ヒカゲノカズラはツル性のシダ植物であり、北海道から九州に分布し、北半球に広く分布している。和名は日陰の葛であるが、日当たりの悪い場所には生育しない。
岡山理科大 旧植物生態研究室HPより
ヒカゲノカズラ wikipediaより

神聖な植物?

そんなヒカゲノカズラがお正月飾りに使われる理由を調べてみました。

古事記にも登場

古事記において、天照大神(アマテラスオオミカミ)が弟である須佐之男命(スサノオノミコト)の乱暴な振る舞いに嫌気がさし天岩戸に籠ってしまう有名な場面。
太陽神である天照大神が隠れると、世界が暗闇に包まれてしまいます。何とか出てきてもらおうと、天鈿女命(アメノウズメノミコト)が舞を踊るのですが、その時天鈿女命が身に付けていたのがヒカゲノカズラだとも言われています。

また、宮中で行われる新嘗祭(その年に獲れた穀物を神様に供えて感謝する祭儀)でも使用されるとのこと。
神話の時代から現代の宮中まで使用されるヒカゲノカズラ。きっと特別な、神聖な植物と認識されているのでしょう。

長寿を祈願する

ヒカゲノカズラは常緑性なので、冬でも青々としています。そして、切ってもその色を長く保つと言われています。

欧米でクリスマスツリーにモミの木が使われる理由をご存知ですか。
モミの木は常緑樹で冬でも緑を絶やさないことから、“永遠”を意味し、神の永遠の愛を象徴しているから、と言われます。
それと同じように、常緑のヒカゲノカズラも、“永遠”とまではいかずとも長寿を願うものとなったのではないかと思います。

さて、肝心のヒカゲノカズラを使ったお正月飾りです。
残念ながらお茶の席での写真撮影はNGなので、ヒカゲノカズラを販売しているサイトの写真をご覧ください。

石田精華園HPより

先生のところの飾りもほぼ同じような感じでした。
ヒカゲノカズラが長ければ長いほど良いとされているそうです。

例年よく見る結び柳もいいですが、ヒカゲノカズラのこの存在感はまた別格です。
わざわざ準備していただいた先生に感謝です✨

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