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中国ジャニおた生活

 まあこの年でジャニーズにはまるとは思っていなかった。でも正直なところ、ジャニーズだとかなんだとか、偏見があったわけでも、カテゴライズしているわけでもない。ただ単に好きになったイケメンがジャニーズだったというだけだ。
 はまったきっかけは、自分が学生をしていたことが大きいだろう。この年で大学院に入って研究し論文を書くということはやはり想像以上にきつかった。悩みを相談できる人もいなかったし、自分の研究以外にも、同じ大学の日本語学院で日本語や茶道の講師もしていたので時間的に余裕がなく、常に気持ちが沈み落ち着かなかった。博士課程に在籍していた4年間、コロナで外出制限があったりもしたが、友人と外食したり遊びに行ったりしたのは片手で数えられるほどしかなかったのではなかろうか。何をしていても常に頭に論文のことがあり、楽しめず、気分的に晴れなかったからだ。そうした中、家で何も考えずにリラックスして聞ける音楽はないかと探していたところ、出会ったのがキンプリだった。
 なぜキンプリにいきついたかというと、きっかけは永瀬廉くん。その時期、映画「弱虫ペダル」の宣伝で廉くんが毎日のようにテレビに出ていた。気だるーい雰囲気で大阪弁を話しながら言うことはぴりっと面白く、なにより顔がめっちゃかっこいい!自分の好みにドンピシャだった。
 そこからこの「永瀬廉」というやつはどういうやつなんだ?と調べまくり、King & Princeというジャニーズのグループに所属していることを知り、中国の音楽APP「QQ音楽」で探したところキンプリのアルバム「L&」があり、聞いてみたら思ったより楽曲もいいし、5人とも歌が上手!となり…それから廉くん中心のキンプリ箱推しとなり、キンプリ沼にまんまとはまってしまったというわけだ。北京在住なのでライブに申し込むことすらできないのにFCにも入り、インスタライブやYouTubeライブを全部見て、ひまさえあればインスタをチェック、彼らの動向を把握しているという状態に陥っている。

 では中国でどのようにジャニオタをしているのか、である。
 中国の大都市には日本人駐在員が多い。多い都市・時期には数万人規模となるようである。なので日本人駐在員向けのサービスが充実している。その一つがインターネットテレビ。もちろん有料だが、月数千円で日本のテレビ番組、CS、BSなどがほぼ網羅され、関東の番組も関西の番組も見れる。さらに一か月、番組が自動で保存されているので、一か月間ならばいつでも見ることができるのだ。私の家では夫と私で見たい番組が違うので、二つSet Top Boxを申し込み、それぞれの部屋で見ているという贅沢さ(笑)。このインターネットテレビで、ジャニーズの番組はチェックできる。

 さらに、もちろん各種SNS。キンプリやなにわ男子など好きなジャニーズの公式SNSをフォローするのはもちろん、熱心なファンが彼らの出演番組やら様々な情報をインスタなどで発信しているので、それをフォローすれば、いつ誰がどの番組に出演するのか分かるので、インターネットテレビでチェックできる。

 こうしたSNSにアクセスするにはVPNに加入するのが必須。中国からでは海外のSNSにはアクセスできないからだ。VPNも有料なので最初はちょっとためらったが(無料のや極端に安いのはサーバーが不安定すぎるので結局有料の大手のものに換えた)、いまでは必須の出費になっている。

 さらに中国国内のジャニオタの番組をチェックすること。これも重要だ。中国ではジャニーズといえばまだまだ嵐が人気。だが、嵐以降の新しいグループも確実に中国ファンを増やしてきていると感じる。なぜならば、毎日のように日本で発信されるジャニーズの情報は、日本で発信後すぐさま中国のサイトにアップされるからだ。

 私が見ているのは主に「ビリビリ」。例えば、ある音楽番組にキンプリが出演して歌を披露する。数時間後にはビリビリで彼らの映像が見れるのだ。別にキンプリだけではない。上は東山さんやV6から、下はJrまで、ほぼすべてのジャニーズが出演する番組や雑誌の情報がすぐさまUPされるのだ。私は自分の好きなキンプリ、なにわ男子、ジャニーズWEST、スノスト、Aぇ!…などをそれぞれメインにUPしている「UP主」のサイトを予めフォローしている。そうすれば、UPされれば新着情報が届くようになっているのでいつでも見ることができる。最近ではわざわざインターネットテレビをつけて番組を探して…というのが面倒なので、iPadでビリビリを開けてすぐに見たい番組を見る、という流れになっている。
 それに、中国人ファンが中国語でコメントしているのを見るのが面白い。これは自分が中国語を研究している、ということもあるが、彼女たちのコメントセンスが日本人と少し違ったりして、その着眼点、ネーミングセンスなどが面白いのだ。彼女たちがどのようにコメントしているかはまた別の機会に書きたいと思う。
 
 他に、中国でジャニーズのCDを入手するには「淘宝」を使う。この頃はコロナで日本からのEMSが停止されていた影響で、4月と6月に発売されて私も購入したキンプリのCDがいまだ届かないという絶望的な状況が続いてはいるが、それでも、CD、雑誌などは「淘宝」で購入できる。この辺りもまた別の機会に書ければと思う。

 いずれにしても、中国でもジャニオタ活動は可能である。特に私のような年齢のいったジャニオタは日本であってもこっそりと活動するかと思うので、中国でこっそりジャニオタをするというのもなかなか楽しいものだ。

 

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