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VS. OPENING EXHIBITION Continuum Resonance 連続する共鳴 真鍋大度新作個展 へ行ってきた!
9月にオープンしたVS.
今回、梅田駅から歩いてすぐそばのうめきたエリア「グラングリーン大阪」に新しくできたVS.にて、10月14日まで開催されている真鍋大度さんの新作個展に行ってきました。
真鍋大度さんといえば、メディアテクノロジーと身体的な表現をコラボさせた作品を数々生み出しているライゾマティクス主宰として活躍中の、今大注目のアーティストの方です。
梅田駅目の前というアクセスの良い場所にできた、本格的な体験型アート系施設VS.のオープニングイベントでした。最初の展覧会ということもあり入場無料で鑑賞できます。
このVS.は建築家の安藤忠雄氏が設計監修を手がけており、コンクリートの壁が空間を作り上げています。
音響と映像、そしてスケールの大きさ
入ってすぐ驚くのが音響の迫力がすごいことです。
大きなスペースがいくつかに分かれており、各空間は音の広がりと映像を大胆に感じることができます。
音によって出力されるスピーカーが違い、バンドの担当分けのように音が鳴る場所が違う。これがバイノーラル感を演出しています。
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3次元的に変化する空間
今回の作品に関して、HPに説明が載っていました。
本展示は、数学的アルゴリズム、音楽プログラミング、3D建築データを活用して制作された作品群が、「VS.」の各空間にそれぞれに設置される形で構成されています。
真鍋がシナン・ボケソイ(アーティスト/コンポーザ)と共同開発した画期的な3D音響ソフトウェア「PolyNodes(ポリノーズ)」(2024)を全面的に使用しています。このソフトウェアは、3D空間内で音の動きや変化を自由にデザインし、視覚的にも表現することができます。音の位置や強さ、音色の変化などを空間内で動的に制御し、それに合わせて視覚的な要素も変化させることで、音と映像の要素が融合した没入感のある体験を創出します。これにより、鑑賞者は前例のないオーディオビジュアルの空間を体験することができます。
実際作品の前に立ってみるとわかるのですが、人を機械で検知し、その場所をリアルタイムで作品に反映しているのがよくわかります。
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面白いのが、壁にプロジェクターで投影している映像がコンピュータ処理によって動きが足され、会場には物理的に作品が存在していないのに光と影であたかも作品があるような錯覚に陥ることです。
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リアルタイムで鑑賞者を検知しデジタルアートに反映する技術はすでにチームラボなどのクリエイティブ集団が実装し様々な場所で見ることができますが、これを新しいベニューで、ここでしか生み出せない作品を実現していることがすごいです。
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さらに、プロジェクターもスピーカーもミラーボールのように一つだけでなく数箇所に投影範囲を分けてタイミングを合わせて音楽に合うようにシンクされていることです。
空間が広いのでかなり思い通りに動き回れます。
最後の作品は天井がとても高く、前左右の壁一面がスクリーンになっており、実際その前に立ってみるとスケールの大きさを感じざるを得ません。
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ちなみに、ちょうど数日前に発売が始まった美術手帖の「AIと創造性」回に真鍋大度さんとライゾマティクスの別のコラボ作品が取り上げられていました。
結論:かなり楽しかった!
私は真鍋大度さんの作品に鑑賞者を包み込む落ち着きみたいな雰囲気を感じており、うめきたのような都会でより多くの人々が感性を研ぎ澄ませられるような公共性、大衆性のある場所では非常に相性がいいのではないかと思いました。
また、VS.という会場自体も、うめきたエリアに作られているという点や今後展示するアーティストの方の顔ぶれを見ても、より多くの人にアートを楽しんでいただきたいという趣旨がかなり感じられます。
次の会期は吉田ユニさんの作品が展示されるらしく、どのように作品を体感できるかがとても楽しみです。
おそらく展覧会の作品によって大きく表情を変えるベニューですので、毎回感覚が違うと思われます。交通の便もよくアートがさらに身近になるのではないでしょうか。
ぜひ足を運んでみてください。
展覧会HP⇩
※入場にはチケットをオンラインで予約する必要があります!
会場でもチケットを取れますが事前に済ませておくとスムーズです!