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見て、触って、体感して「MIYOTA DESIGN WEEKEND」8つのワークショップ・トークイベント開催レポート | 11/3-5実施

みなさんこんにちは!ミヨタデザイン部です。

11/3(金・祝)〜5(日)に実施した「MIYOTA DESIGN WEEKEND」。
全国各地から御代田・軽井沢に集まった展示と併せて、会期中にワークショップとトークイベントも実施されました。今回はMDWEで行われた8つのショップ・トークイベントのレポートをお送りします。

11/3実施

①蒸留と調香ワークショップ

MDWEの初日、トップバッターの開催となった「蒸留と調香ワークショップ」。講師は長野県茅野市で森に寄り添ったプロダクトを生み出している「yaso」の皆さんです。

ワークショップ会場は御代田駅前の「CORNER SHOP MIYOTA」

yaso -ヤソ- は、東京を拠点とするデザイン事務所と
木葉社による共同プロジェクトとしてスタートしました。

『森と寄り添う暮らし』をコンセプトに、アーボリストが木をめぐる日々の現場や暮らしのなかで採取した枝葉や樹木を活かし、暮らしに溶け込みやすい形にリデザインしたものがyasoのプロダクトです。

yaso 公式Webページより(https://shop.yaso.jp/Page/about.aspx

今回は簡易蒸留機でのハーブの蒸留体験、さらに蒸留によって抽出した蒸留
水でルームスプレーを作りました。

理科の実験でおなじみのメスシリンダー。大人になるとなかなかお目にかかれない器具です

会場のCORNER SHOP MIYOTAに用意された簡易蒸留器。眺めるだけでなんだかワクワクしますね。

蒸留の様子はまるで理科の実験をおこなっているようです。

ハーブをぐつぐつと煮立てて蒸留していきます

こうしてできあがったルームスプレーはお土産に!

また、ワークショップでは蒸留と精油についてのレクチャーの時間もありました。精油は植物から採れるものもあれば採れないものもあるそうで、さらに葉からのみ採れるもの、枝からのみ採れるものがあるのだとか。

さらに、地域や季節などの風土や気候条件などで香りに違いも出てくるというのだから、まさに自然由来の香りとの出会いは一期一会。奥深い香りの世界を垣間見たワークショップでした。

長野県茅野市を拠点にプロダクト制作・販売をおこなうyaso。
商品の数々は県内産の樹木からつくられており、地産地消のひとつの例でもあります


②tumi-isi を削って色を塗ろうワークショップ

続いてご紹介するのは「tumi-isi を削って色を塗ろうワークショップ」。
講師は、奈良・東吉野村で活動されているプロダクトデザイナーの菅野大門さんです。本ワークショップでは菅野さんの手掛けたプロダクト「tumi-isi」の削りと色付け体験していただきました。

バランス感覚と創造力を養うためのオブジェクト。ランダムにカットされた木製ブロックで、小さいブロックから積み上げたり橋のように積み上げたり色々な積み方ができます。また、積むだけでなく転がしたり飾ったりと子どもから大人まで楽しめる積み木です。※注意 大人の方が夢中になるかもしれません。

tumi-isi(https://www.designofficea4.com/tumi-isi

tumi-isiは東吉野を拠点とする、プロダクトレーベルA4が手掛けたプロダクト。菅野さんはA4で取り扱う全プロダクトの監修をおこなっています。

ワークショップはMDWEの展示会場のひとつでもあるMMoPの広場でおこなわれました。晴天のさわやかな気候の中行われた本ワークショップ。集まってくださった参加者の大半が御代田町周辺在住の小学生とそのご家族の方でした。

菅野さんによるレクチャーのあと、さっそくtumi-isiづくりスタート!まずは荒々しい吉野杉のブロックにヤスリをかけて表面をなめらかに整えていきます。無心でおこなえる作業とあって、参加者の皆さんはもくもくと作業に取り組んでいました。

吉野杉のブロックのザラッとした表面がサラサラになっていく
単純だけど達成感のある作業です

続いて、スポンジを使って着色の作業へ。ポンポンと塗料をブロックに当てて色付けをおこなっていきます。

1つのブロックに2色、3色と色分けをして着色したり。夢中で作業に取り組み、無事完成!あっというまの1時間半でした。

個性あふれる自分だけのtumi-isiはワークショップのお土産に。一人5つずつ持ち帰ってもらったので自宅に飾ったり、積み重ねて遊んだり、それぞれの楽しみ方ができそうです。

photo by 丸田平

ワークショップ会場の向かい側には「BIG tumi-isi」の展示も。
子どもたちが集い、積み上げていく、MDWEの人気展示のひとつとなりました


11/4実施

③探して集めてつくる色とりどりなコラージュアートワーク


MDWE2日目のワークショップは、身の回りにある自然物や人工物のさまざまなテクスチャを写しとりオリジナルのコラージュ作品をつくる「探して集めてつくる色とりどりなコラージュアートワーク」からスタート。
講師は御代田町在住のアーティスト、鈴木葉音野さんです。

鈴木葉音野
1989年東京都出身。2012年桑沢デザイン研究所卒業。2015年東京藝術大学大学院修了。 紙の情報をのせるメディアとしての一面と、厚み・色・質・匂いなど物質性の一面とを掛け合わせ、紙を編むという最小限の要素をもとにグラフィックとテキスタイルの間の表現の可能性を探る。

まずは、参加者がそれぞれおうちから持ってきた色鉛筆やクレパスを使って素材を紙に写し取りとる工程から。

ワークショップ会場となったCORNER SHOP MIYOTAの
カウンターのタイルをごしごし写し取ります

普段なにげなく触れている物も、質感探しを目的にすることで違った見え方に。カウンターのタイルやテーブルの木目、壁、さらに外にもたくさんの質感、手触りが溢れていました。

外へ飛び出しマンホールの柄を写し取る参加者も
画用紙の色、筆記用具の色や種類でも印象が変わります

続いて、質感を写し取った紙をハサミで切り取り、編み込んで作品をつくりあげていきます。切り取る紙が直線だったり、少しぐにゃりと曲線を描いたりと個性が表れます。

編んでいく作業もたのしい!

最後は額装して完成! 自分で見つけた質感が作品になる楽しさを実感する時間となりました。

できた作品は参加者がお持ち帰り。
額装することで印象もガラリ。各家庭の壁を彩る存在となるはずです

④オリジナルのRe.珪藻土コースターを作ろう

続いてのプログラムは珪藻土コースターをつくるワークショップ。講師は御代田町在住のプロダクトデザイナー、内藤真帆さんです。

内藤真帆
金沢美術工芸大学卒業 卒業後、柳宗理が設立した事務所「柳工業デザイン研究会」にデザイナーとして務める。 そこで模型を作りながら、本当に使いやすい日用品をデザインする手法を学ぶ。 約5年働き、その後長野県御代田町に移住。 現在はプロダクトデザイナー熊野亘氏のアシスタントデザイナーを務める傍ら、 自身でも、日常に寄り添うプロダクトの企画、デザイン、販売を行う。 一児の母でもある。

コースターの材料となるのは、石川県奥能登の珪藻土の廃材と良質な石膏です。参加者が持ち寄った自分のお気に入りのコップに合わせてコースターづくりをおこないました。珪藻土とは吸水性抜群の天然素材のこと。バスマットや壁に使用されることが多く、実は馴染みのある素材です。

今回、ワークショップで使用した珪藻土は石川県珠洲市産のもの。能登半島の先端に位置する珠洲市には珪藻土工場がいくつかあるそうで、ワークショップを通じて、工場の隅に転がる焼き損じた珪藻土製品を砕いた廃材が「Re.珪藻土コースター」として生まれ変わりました。

会場はhaluta BLÅ(ブルゥ)。
MDWEの展示会場でもあるため、ワークショップの前後に展示を見学される参加者も

コースターの制作手順は、参加者が自宅から持ってきてもらったお気に入りのコップやマグカップからそれぞれ型をつくり、材料を流し込んで固めるシンプルな工程。

良質な石膏に廃材の珪藻土を混ぜていきます。
親子での参加が多いワークショップでした

普段使うコップやマグカップから型を取って制作したので参加者ひとりひとり違う形に。お気に入りのコップに合うコースターを自分の手でつくることできっと愛着も湧くはずです。

完成したコースターは、珪藻土が練り込まれた和紙のラベルと一緒にお持ち帰りいただきました!


⑤3Dスキャンで自分のミニチュアフィギュアをつくろう

「3Dスキャンで自分のミニチュアフィギュアをつくろう」のワークショップは、iPhoneのアプリを使って全身を3Dスキャンをしたデータを3Dプリンタで出力してミニチュアフィギュアを作成するプログラム。

講師は御代田町在住のデザインエンジニア緒方壽人さんです。

緒方壽人
ソフトウェア、ハードウェアを問わず、デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスまで幅広く領域横断的な活動を行うデザインエンジニア。東京大学工学部卒業後、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)、LEADING EDGE DESIGNを経て、ディレクターとしてTakramに参加。主なプロジェクトとして、「HAKUTO」月面探査ローバーの意匠コンセプト立案とスタイリング、NHK Eテレ「ミミクリーズ」のアートディレクション、紙とデジタルメディアを融合させたON THE FLYシステムの開発、21_21 DESIGN SIGHT「アスリート展」展覧会ディレクターなど。2004年グッドデザイン賞、2005年ドイツiFデザイン賞、2012年文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など受賞多数。2015年よりグッドデザイン賞審査員を務める。


最新の技術力を用いて様々なプロダクトを作り出せる3Dプリンタ。プログラムが始まる前から会場のGokalab.に登場した3Dプリンタに子どもたちは興味津々です!

緒方さんの自己紹介を終え、まずはフィギュアとなる全身のデータをそれぞれ撮影する工程から。

3Dデータの作成のため、iPhoneで撮影中

家族で並んでみたり、寝転んでみたり、ほうきを持ってみたりと様々なポーズをぐるりと360度から撮影していき、スキャンした全身の3Dデータをプリンタへ!じわじわと出力されていく様子に釘付けでした

大体20〜40分で1体のフィギュアを作れるのだそう。残念ながらタイムオーバーとなってしまい、作成したフィギュアは後日送られることに。


ものづくりが好き、3Dプリンタに興味がある、そんな声が多く聞こえた本プログラム。緒方さんの話をキラキラと目を輝かせながら聞く子どもたちが印象的な時間となりました。

後日参加者の手に渡ったフィギュア。
MDWEのロゴが型どられたオリジナルボックスです


⑥トークイベント『御代田のカプセルハウスK』


「未来の都市と建築は新陳代謝する」という概念を黒川紀章(1934〜2007)らが中心となり60年に提唱した「メタボリズム」。

そしてメタボリズムを象徴する建築物として誕生した「中銀カプセルタワービル」。

実はこのカプセルタワービルと同じBC-25型のカプセルを用いた黒川紀章氏自身の別荘兼モデルハウス「カプセルハウスK」が御代田町にあることをご存知でしょうか。

今回は黒川紀章氏のご子息であり、MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO代表の黒川未来夫さんをゲストにお招きし、トークイベントを開催しました。

1972年に竣工したカプセルハウスKは、50年の時を経て修復を終えたばかり。昨年春、新たに一棟貸しの宿泊施設として息を吹き返しました。

photo by MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO


トークイベントでは、黒川紀章氏が「カプセルハウスK」を御代田に構えることになった経緯や、またその内装デザインのディテール、そして一棟貸しとして再開するにあたって乗り越えてきた数多のミッションなどの話題を黒川さんから伺うことができました。

クリエイターが集う御代田町に、また新たなデザインの種が芽吹く機運を感じた夜でした。

11/5実施

⑦簡単箔押し×和モダンカリグラフィーであそぼう!


このプログラムでは和モダンカリグラフィーでオリジナルデザインの箔押し和紙カードを作成しました。

講師は和モダンカリグラフィーアーティストの原田祥子さんです。

 原田祥子
石川県金沢市生まれ、金沢美術工芸大学デザイン科卒。大手百貨店のアートディレクター/グラフィックデザイナーを経て独立。日本モダンカリグラフィー協会認定スクリティエ。企業へのデザイン提供、ブランドロゴ、表札デザイン、イラスト、モダンカリグラフィー講師などを中心に活動。“新しい日本語の愉しみ方”をコンセプトに、海外生活の経験を活かした和と洋を融合させるカリグラフィースタイル作品の表現を探求中。


幅広い年代の方が参加してくださったこちらのワークショップ。


プロの技をじっくり見学したあとは、いざ実践。

まずは原田さんによるレクチャーからスタート!
原田さんのオリジナルデザインのワークシートが配布され、参加者の皆さんはもくもくと作業時間!

「箔押し」と聞くと特別な技術が必要そうなイメージですが、デザインをなぞるだけの箔押しペンを使用することで、手軽に箔押しが可能に。

また、ワークシートには御代田の龍神伝説にちなんだ龍神モチーフ(原田さんオリジナルデザイン!)や、日常使いできるフレーズが満載!
来年は辰年ということもあり、年賀状のデザインにもぴったりでした。

すぐに暮らしに取り入れたくなるカリグラフィー。
スマホやパソコンでのやり取りが増えているからこそ、
贈り物や手紙に手書きのカリグラフィーを添えることで
メッセージに真心がプラスできるはずです!

⑧御代田のライ麦でモビール"ヒンメリ"をつくろう


こちらのワークショップでは、御代田町産のライ麦で北欧の手工芸「ヒンメリ」を制作しました。

会場は御代田町内にあるコワーキングスペース「Gokalab.」

講師は御代田町在住のクラフト作家 上原かなえさん。
御代田町産のライ麦でストローを制作・販売する「MIYOTA ライ麦ストロー プロジェクト」の主宰者でもある上原さん。

「ヒンメリ」とはフィンランド語で「光」の意味を持ち、今ではクリスマスシーズンの飾りとしても知られています。

まずは上原さんのレクチャーを受け、同じ長さに切りそろえられたライ麦をビーズのように糸に通していきます。シンプルな作業だからこそ、もくもくと集中してあっという間に1時間半……!

仕上げにカラフルなビーズで留めて完成です。

各家庭に幸せをもたらすと言われているヒンメリ。参加者にお土産として持ち帰ってもらったヒンメリも、家のお守りとして飾られていることでしょう。

【令和5年度 長野県元気づくり支援金対象事業】

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問い合わせ先:
公式LINE|ミヨタデザイン部_グループ
メール|miyotadesign.dept@gmail.com
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