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君の知らない君の詩

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自作。思い入れのある、手紙のような詩。 マガジンのタイトルは、ASKAさんのアルバム名のもじりです。
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2023年4月の記事一覧

詩「闇」

この扉を開ければ
暗闇の世界が待っているだろう
そこに 「私」は存在するのだろうか

貴方がいる場所は
寒いだろうか
冷たいだろうか
こちらへと手招いても
貴方は寂しく笑うだけだった

それさえも 記憶の影なのかもしれない

今日のところはお別れ
闇を抜ける その日まで
永遠が ないのであれば
私も貴方と共に 闇に帰るまで

かげろう

私は迷いの中で生きている
必要なものほど 不確かで
大切なものほど 目には見えない

手の中の希望は
打ち捨ててしまえば きっと 楽になれる

無知であるということは 眩しい程に幸福なことだろう
それであるのに
いったい 何を知るために
何を得るために

明日 私の心が
打ち砕かれないとは限らない
そんな日々の中でも

いつか 私が焼かれる時
骸の奥底に沈んでいるだろう君のために
未だ希望は捨てら

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