職業としての小説家

MONKEY連載は読んでいたものの、今更買って読みました(BOOK OFFで)、職業としての小説家。

そして私は再確認しました。

村上春樹が大好きだ。

私は高校生の頃からずっと村上春樹みたいになりたいと思っていました。それは、小説家になりたいということではなくて、「村上春樹的な感性とセンスの持ち主になりたい」という意味です。

おまけに彼の小説家になったエピソードがまた夢みたいな話で(嘘か本当かはしらないが)、ファンタジー的な意味で夢を与えてくれる。

村上春樹が好きだと言っても、彼の書く物語が好きだというわけではなく、ただ単に、「村上春樹の言葉づかい」が好き。それだけです。

もちろん柴田元幸も大好き。そして柴田元幸の教え子である小沢賢二も、ルックスや音楽はどうでもいいけれども言葉のセンスが好き。ようするに、「あのへんの人」らの言葉づかいに弱いです。(内田樹も好きだけど、彼は特例)

村上春樹の言葉づかいは、私の中では森本レオが音読するのが一番しっくりくる。

やわらかくて、空気感があり、焦りのない堅調なリズムがあって慎重で、きちんと吟味された、という印象を与える。

話す言葉にしろ文章になった言葉にしろ、「言葉」には人間性が出ます。性格はもちろん、知性や感性、バックグラウンドとなる文化、興味関心、所属するコミュニティ、あらゆるものに影響され、それが露骨に表れるのが「言葉」だと思う。

日本語にしろ英語にしろ、ひとつの事象を表す言語はひとつじゃない。その中からどの言葉を選び、どんな順番でつなげ、どんな口調で話す(あるいは、書く)のか、もしかしたら人間の活動の中で一番クリエイティブな作業なんじゃないかとも思える。

最近は生徒の作文の添削に追われ、自分の文章を全然書いていなかったけれど、今年は「自分の文体」の確立のためにがんばろう!


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