23:47、天井を眺めながら。

なぜだか気持ちが落ち着かない。
ざわざわして、得体の知れない不安が膨らんで、部屋にひとりでいるだけなのに視線が泳ぐ。クラスのみんなの前で何かを発表しなければならないときのような緊張もある。

ときどきやってくる、この心のざわざわ。
初めて経験したのは中学一年生のときだった。父親の別居に加えて、部活に馴染めず放課後になると保健室に通っていた私は、家でも学校でも常に何かを心配して、常に不安な気持ちでいた。
夜の八時頃になるとその不安はものすごいスピードでむくむくと膨れ上がり、いてもたってもいられなくなる。なんの前触れもなくポロポロと涙がこぼれ、自分の内と外の境が薄くなっていく感覚に襲われた。自力ではどうしようもできず、病院で処方された薬を飲んでようやく落ち着く毎日が続いた。

夜が怖かった。

八時が怖かった。


10年以上経った今、薬に頼ることはなくなった。涙がこぼれることももう滅多にない。けれど、心のざわざわは無くならないし、上手に落ち着かせる方法も未だにわからない。
甘いものを食べてみたり、好きな音楽を聴いてみたり、思いきって早くベッドに潜ってみたりするのに、あまり意味がないみたいだ。


自分の心を優しく包んであげるのは、私にはあまりにも難しい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?