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うみべの三角ベンチ

海風に涼んでいる
二の腕のあたりを虫が飛んでいるような感覚
みるとそこに虫はいなく
一本の長い毛が生えている
他の短い毛と違く
色素の少ない毛
長くなることに全てを振り切った毛

それまでは何にも気にしなかったのに
一度気になり始めたら止まらない
風に吹かれ揺れるたび
その長い毛の先が二の腕を刺激する
虫を感じてまた見る
けれどあるのは一本の白い毛

抜こうかな

そう思考させるこの毛は
すでに愛着を生ませている
いとおしい
ボクはこの毛に魅せられている

この毛をこのまま放置したらどうなるのか
きっと知らないうちに服に擦れて抜けてしまうのだろう
そのとき少しの寂しさを覚えるのかな
また生えてくることに期待するのかな


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