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保守王国の老人の自民党支持を繋ぎ止めている糸が、「令和の米騒動」でプッツリと切れる音が聞こえたような気がした話。

最近、全国的にも米不足がニュースになっています。

宮崎県の場合、全国に先駆けて早場米などが出るためか、「米がない」という状況までいっているスーパーはほとんどないようですが、たった数か月前までと比べても価格が1.5倍程度以上になっている感じはします。

報道によると、だいたい8月の今頃が新米と入れ替わる時期で、在庫が足りなくなるのはよくあることで、9月になったら品不足も解消して値段も下がってくるだろう、という予測が多いようです。なので、個人的には本当にそうなることを期待してしばらくは待ちたいと思います。

でも、今回このいわゆる「令和の米騒動」とも言われる現象は、都会の人や若い人が考えるよりも、「保守王国の老人」の心理には大きく影響するもののように思います。個人的な観測範囲内のセンチメントも、米の値段の急騰によって急速に変化している気がします。

人間誰しも、自分の中に「最低限の幸せ」みたいな基準があると思うんですよ。

最近のXでは現役世代が持つべき幸せの基準として
「とんかつが好きなときに食べられる幸せ」
みたいなことが語られることがあります。

しかし、県民所得が全国の中でも最低レベルの宮崎県のような「保守王国」で年金暮らしをしている老人の基準はそれよりも更に低いところにあるように思います。

自分の観測範囲にいる年寄りたちは、自分が戦争に行ったわけではないけれども、子供の頃の戦争のことを漠然と覚えていたり、戦後の物不足の中から徐々に日本が繁栄していく流れを体感している人たちが多く、そういう年代人々の最低限の幸せの基準の大前提は「米」であることが多いように思います。

端的に言えば
「毎日ピッカピカの白米が腹八分目で食べられる」
ということが満たされていさえすれば、周りのおかずの値段が上がっても代替品で我慢するなどしてきたわけですよ。

例えば、以前はサンマが一匹100円で食べられるような時期もありましたが、最近はそんな値段では食べられなくなっています。それでも「米」が食べられる分にはおかずは自分の財布やりくりをしながら日々を過ごすというような感じです。

2022年のウクライナ侵攻後の物価高局面において、電気代やガス代、小麦粉で作られるパンや麺類などの値段が急速に上がりました。それでも米の値段の上昇はそれほどでもなく、なんとかやりくりができる範囲内でした。

そこに来て、今回の「令和の米騒動」です。

これまで、米以外の物価高に関しては、物価の優等生の卵の値上がりでさえ「まぁ仕方がない」で許容してきた寛容な保守王国の老人も、今回の米の価格の急高騰に関しては、自分自身が想定していた「最低限の幸せ」の基準を破壊する一大事なわけですよ。

これは、これまで国政選挙では「無車検ひき逃げ」とか、「国家安全保障を脅かす中国人女性との不倫」とかが起こっても、絶対に自民党議員を送り出してきた保守王国宮崎の老人の投票行動にも案外影響があるんじゃないかと思います。

昨年の敬老の日時点で、宮崎県の人口の3分の1以上が65歳以上の高齢者で、投票に行く有権者の過半はその世代です

保守王国の老人にとって見れば、最近ニュースを賑わせている「裏金問題」も「ちょっとけしからんな」程度のものですが、「これから米さえも満足に食べられなくなる」というほうが大問題だと思います。

今年は、世界的な選挙イヤーで、フランスやイギリスで政権にとっては厳しい結果になっていますが、それらはイデオロギーよりもインフレの問題が大きかったという分析が多いように思います。

マスコミやXでは、都会の現役世代のちょっとしたネタのように扱われている「令和の米騒動」ですが、品不足がある程度解消しても、値段が昨年レベルまで戻らないまま総選挙というようなことになると、保守王国の地方でも波乱が起きそうな気がしますね。

以上、日本の田舎の局所的なセンチメントの報告でしたw

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