若者の県外流出についてのUMKの若手論客の説明がいまいち腑に落ちなかった件。

宮崎の地元のテレビ局 UMK で若者の県外流出を議論していました。解説をしている方々については初めて知った方々ですが、内容を聞いてもあまり腑に落ちる感じではありませんでした。

知事選まであと5日 宮崎の課題「若者の県外流出」を若手識者に聞く 宮崎県(宮崎ニュースUMK)|dメニューニュース(NTTドコモ) (docomo.ne.jp)

UMKから引用

若者の好奇心が止められないと言うのは事実でしょうが、それが理由で県外に出ていくのであれば、東京の人間も県外に出ていかなければおかしい、ということになります。(テレビですから色々カットはされていると思いますが。)

以下の文部科学省の資料によると、関東・関西・中部は別として、「大学進学時」の県外流出率には宮崎もそれほど他県と大差はありません。その後20~24歳に大学卒業する頃の流出率も率としてはそれほど高くない感じがあります。

2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申) (mext.go.jp)

ただ、リンクを貼っていいかどうかわからないデータですが、厚生労働省が発表している平成22年頃から年宮崎県の高卒・大卒の新規卒業者の三年以内離職率というのが、40%を超えて、全国水準と比べても非常に高いです。

高卒の県内就職率の50%台を含めて考えると、やっぱり就職先が中小企業ばかりで「自分の人生を預けるに値しない企業ばかり」だからという方が、自然ではないかと思います。UMKで地元の中小企業をくさすことを言えないのはわかりますが。

東国原氏も含めて、ワクワク感の演出が呼びかけられていますが、私はどちらかといえば宮崎が醸し出す「うんざり感」を減らすということのほうが大事かと思います。そのためには、UMKがクロスネットをやめることが必要だと思いますけどね。今日のフィギュアスケート男子をちゃんとリアルタイムで見せてくれよw

労働配分率(上記URL動画から引用)

労働配分率については、そのデータの性質的に県外流出との直接的な関係を示すのはちょっと無理があるのではないかと思います。だって、上の表を見ても、大分県の労働配分率上がってるのに、人口減ってるじゃないですか。

労働配分率は、例えば設備投資型の産業で一人あたりの売上高が極めて高い大企業が次の成長のために人件費以外の一定の投資を惜しまない優良企業であった場合に、労働者への配分は数値としては低くなります。その企業が撤退するとその地域の労働配分率が上がる、というような性質もあります。

若者が自分の入った会社について、売上高を調べて、従業員全員にどれだけ支払われてて、だから労働配分率がこれくらいで、そのうち自分がどれだけもらってるか、みたいなことはあまり考えないでしょうし。

労働生産性は、小規模事業者<中規模事業者<大企業 というように上がっていくのはデータ的には明らかで、労働生産性が上がればその分労働者に配分する余裕も増えるということで、宮崎は大企業従業者比率が極めて少なく全国ワースト2位で給料も上がりにくい構造的な問題を抱えている、というほうがシンプルな分析ではないかと思います。

単に経営者に給料を上げてやれ、ということをいうだけでは真面目で優秀な経営者ほど宮崎から撤退するだけでしょう。

地域別最低賃金が常に全国最低 or 全国最低+1 円であり続ける宮崎県。だが、この数字を単に引き上げるだけでは宮崎に幸せな未来はない。|宮崎県政ウォッチ|note

テレビで数分にまとめた動画ですから、相当いろいろとカットはされているでしょうから、おっしゃりたいことの大部分が曲がって伝わっているだろうとは想像しますが、あまり腑に落ちないまとめ方でした。


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