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JA宮崎経済連が雌子牛購入5万円助成。あんまりよく意味が分からないな、という話。

最初にエクスキュースをつけておきますが、私は農業・畜産に関しては全くの素人です。それでも一応、宮崎県政をウォッチしているものとしては、他県と比べて相対的に重要な産業である農業について、効果的な政策というのがあるのなら、勉強はしたいと思っています。

といっても、JA宮崎があまり素晴らしい政策を主張しているとも思えないでいますし、農業関係への闇雲な利益誘導がむしろ宮崎のさらなる衰退の原因を作っているかもしれないな、とさえ最近は思っています。

さて、JA宮崎経済連が子牛相場の低迷を受けて、JA宮崎経済連は宮崎県内の和牛繁殖農家に対し、総額約1億6000万円の支援策を打ち出したそうです。

今回の支援は、子牛の競り市場で生産者が40万円以上の繁殖牛となる雌の子牛を購入した場合、1経営体あたり10頭を上限に1頭につき5万円を助成するというものです。 期間は9月から12月の4カ月間です。 JA宮崎経済連によりますと、和牛の子牛の平均価格は今年度に入り低迷していて、7月の競りでは、1頭約50万5000円と前年同期と比べ約10万円下落しています。 飼料などの高騰、枝肉需要の低下もあり、厳しい経営環境となっています。

UMKのニュースから引用

何度読んでも、よく意味がわからないんですよね。8月10日の宮崎日日新聞の1面にも記事が出ていて説明を読んだんですが、それでもよく意味がわかりませんでした。

子牛が安くなってるのに、安く買った「購入者側」に更に一頭あたり5万円を補助するってことですか?

宮日の紙面のコメントにも、
「今子牛が安いということは、生産能力の劣った牛を入れ替えるいい機会でもある。農家に元気を取り戻してほしい」
と書いてあって、ちょっとどういう意味なのか、どうして効果がある政策なのかが私の頭では理解できませんでした。

JA宮崎経済連の坂下会長は、生産者の離農を防ぐためにも子牛の供給県として必要な対応と強調しました。 (JA宮崎経済連 坂下栄次会長) 「この基盤が崩れるとなると、特に中山間地を含んだ地域まで崩壊するのが見えてくる。どうしても子牛の価格が下がっている中で、農家に意欲喚起していただき、元気を取り戻していただきたい。」

UMKのニュースから

これをやることで、山間地域の崩壊が防げるのでしょうか。このぐらいの額でそれが防げるのであれば儲けものですが、かなり論理の飛躍でそういう問題ではない気がします。

飼料代や燃料費が高騰していることが原因であれば、シンプルにそのあたりの助成したり、国に対策を求めるほうがよい気がします。子牛をたくさん買っても、育てるのにお金がかかる上に売れないから安くなってるのではないのでしょうか?

今回はJA宮崎経済連独自の対策ということで、税金が使われるわけではなさそう(もしかしたら何かしらの助成があるのかもしれませんが)なので、全く素人の赤の他人がとやかくいうことでもないのですが、政策の効果という意味で釈然とはしませんでした。

以前、宮崎市が子牛売却課税で農家32世帯に合計1千万円以上の課税漏れ。軽く調べたら制度が悪い気がした件 という記事も書いたのですが、「牛肉」の畜産業者はただでさえ「売った」際の所得の減税の制度などもあって、「適正な市場経済」という意味では逆行した政策が放置維持されている分野だと感じます。

そういった適正な市場経済の構造を歪めるようなことを、これからもさらにやり続けないと維持できない産業であるとすると、あまり先がない産業のように思えるのですが。

狭い業界の論理ばかりでなく、それ以外の業界の人にもわかりやすい説明をしないと、根本的な部分で支持が得られないと思いますね。

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