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愛する日本Amoイターリア

イタリアで見つけた日本

2008年 イタリアは花の都「フローレンス=フィレンツエ」
都市の名前通り美しいFirenzeに暮らしはじめて2年たった頃、Centroチェントロ(街の中心地)の片隅にようやく見つけた。

中国人経営らしきアジア食材店。イタリアでは『Giappone(日本)』とあっても経営者は中国人であるお店がほとんどだった。その店内に、私がお目当てにしていたお豆腐がひとつ5ユーロ位で売られていた。その他にも納豆やお醤油、日本米など当時の私にとっては、ポンテヴェキオに陳列されているどの宝石よりも輝いてみえた食品たち。そのどれもこれもが日本で買える値段の5倍くらいの価格をつけられて並んでいた。

イタリアの食卓

caffèから始まりcaffèで終わる。

朝はお決まりのcaffè。たまにcaffè+甘いもの。昼と夜のテーブルは
パスタとパン、またはたまにお肉かお魚と固いパン、食後にはおひるね、またはcaffè、それが日常だった。そんなイタリア暮らしのなかでしっとりツヤツヤ炊きたて!日本の「ひかるごはん」と同じくらい、愛している「おとうふ」に日々、思いを巡らせていた。

わたしは猫舌の上、冷たいものも固いものも苦手。ちょっとしたモノで口の中や舌がすぐ痛くなるからつるつる、ふわふわ、噛まなくて飲み込んでしまえるようなのどごしのよいものが好き。つるんとしていてケガしやすい私の口内に、安全でやさしい理想的なお豆腐。

フィレンツェでは色々な食材が高すぎると日頃から言っている夫に内緒で・・・家の近くから出るバスに乗り込み、時には運転に挑戦してチェントロにでかけたものだ。異国でであう日本の味は、胸ときめかせてくれた。
中国料理店でチャーハンを食べたり珍しく日本人が営むラーメン屋さんを見つけてくれた友人と醤油ラーメンを味わった。

帰国して以来、心から感じている。我らの母国日本にはお豆腐屋さんがある。我らの母国日本にはお風呂がある。イタリアで暮らした私にとって
それらは、ほんとうにシアワセなことだ。どこに出かけて行っても、お風呂にあえる。どの町にでもどのスーパーでも取り見取りお豆腐が100円から販売している。

日本サイコー!おふろサイコー!とうふサイコー!
VivaジャポネVivaおふろVivaおとうふ!

2011年 冬のある日
おとうふや日本食品をこっそり買い食いしていたことが発覚した。それがキッカケで、はないけれどお風呂のぬくもりと日本食をどうしても忘れられないでいた私はイタリアとお別れして日本に帰ることにした。

日本

帰国後。その白いまるいぷにょぷにょをなぜか、ひとつふたつカバンに忍ばせていることが多くなった。近年になり、更年期といわれる歳のせいか冷え性でつめたいものも苦手となってきたからカバンの中で連れまわされたお豆腐は食べたくなる頃には常温になっていてちょうどよい。ちょっとお腹がすいたときに、どこでもいつでも取り出して、食することができる。

「あーおなかすいた。」一緒にいる誰かが言うと「おとうふならありますよ!」といってみる。え?と、相手が、まるで不思議なことのように驚く。その様子をみるのも、かなりおもしろい。

日本にいると、なんだかユーモアのある人が少ない気がしている。
イタリアにいた時より、笑うことが少なくなって笑い声やBarでのふざけた会話を耳にすることも少なくてちょっと寂しい。なんでもいいから笑おうよって感じで、個人的な楽しみとして、お豆腐インマイバックを続けている。

現在はすきなだけ「ひかるごはん」も「おとうふ」にもあたたかーいおふろにも恵まれて8キロも太ってしまった私だけれど、この国にいるとやはりイタリアを懐かしく思う。

数えきれないほどあるイタリアのおもいで

食に関して言えば向こうのリストランテ、トラットリア、バール
イタリアではどんなお店に行ったとしても水はでてこない。タダでもらうものは見かけない。日本では、飲食店に行くと必ず水が出てくる。しかも氷いり。

イタリアでは、水が欲しい場合は有料で頼む。知っている方も多いと思うが、お水は炭酸ガスなし、またはガスありを選んで注文する。観光地やバールでも小さいボトル水を1ユーロ~位で買う。ちなみにスーパーで買えば0.3ユーロ位。日本では、必ずといっていいほど氷入りのお水がでてくるから面倒だけれど私は、お店に入ったと同時に言うようにしている。
「氷をいれないお水をお願いします」そもそもお水に氷をいれる必要があるのだろうか。特に冬には、氷を必要としているヒトっているのかな、寒いのに、必要あるのだろうか、世の中には温活とか身体を温めようという説がたくさんあるのに巷では、何故氷をいれてるのだろう?といつも疑問に思っている。製氷機やさんには悪いかもしれないけれど製氷機から電気代、水とか・・・エコを目指す現代でどうなのだろう。

なんだか私の愛する母国日本では、意味もなく考えもなく当たり前に習慣化していることが多い、そんな気がしている。

そしていま
イタリアはとてもいい。
日本のお風呂と食はとてもいい。

娘は12才

ある日、学校から帰ってきた子が言う。「まま大好き」って、みんなの前で言うのがはずかしくなってきたから言い方をかえたい。

なんていおうか・・・。

・・・

・・・

数日、考えていた彼女は「これから、だいず(だいすきの略)っていうね」だいず!いいね!よく閃いたね。お豆腐ずきな私にぴったり。それから

『だいず』

わたしたちの母娘の合言葉❤とてもいい


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