【鞄持ち日記#5】お金で買えない価値
今日も社長の鞄持ちのお話。
日々さまざまな事業を企画していくスタートアップ。
この不確実性の高い感じが私はたまらなく好きだ。
ちなみに動物はもともと変化を嫌う構造設計になっているらしいです。不確実性が高いことが好きな私はそこの構造が壊れているのかもしれませんね。
前置きはそこまでにしておいて、今日はお金で買えない価値のお話。
今とある高校生向けのコンテストを企画している。
そのなかで最優秀チームに授与する景品を考えていた。
景品ってどんなものがいいんだろうと思って、似たようなことをしている会社のページを見てみた。
いくつかのページを見てみたが、景品の多くは賞金だった。
でも結局、企画書には最優秀チームにはオフィスツアーの参加資格を付与すると書いた。
この企画書を試しにある高校生に見せてみると、予想を超える高評価だった。
どこが高評価だったか聞いてみると、景品の中身がものすごく彼女にとって価値があるものということだった。
彼女の言葉で思った。
あ、このことか。
お金で買えない価値というのは。
今の時代、ほとんどのことがお金で解決される
ついこの間までは宇宙飛行士にならないと宇宙には行けなかった。そもそも行く権利すらなかった。
でも今はお金さえ払えば宇宙に行く権利が与えられる時代。
学生でも高級なブランドバッグが欲しければ、正社員じゃなくても時給のいいバイトをすれば高級ブランドバッグだって買える時代。
そう、世の中のことの大半はお金で解決できる。
ほとんどのことがお金で解決できる時代だからこそ、
お金で買えない経験に価値がつく現代
さきほどの彼女がなぜ景品に価値を感じたのか。
それは、景品が”お金で買えない経験”だったから。
例をあげよう。
お金があればシリコンバレーに行くことができる。最先端のITと人間が共存する街を自分の五感で味わうことができる。
でもお金だけだとシリコンバレーに行くことができてもGoogle本社のオフィス見学に行くことはできない。
シリコンバレーという世界を創っている人(ここでいう、Google本社の人たち)に会うことはお金だけではできない。
つまりここでは「Google本社のオフィス見学ツアー」が”お金で買えないけい経験”に当たる。
ほとんどのことがお金で解決できる時代だからこそ、逆に”お金で買えない経験”に価値がつく時代になってきているのだ。
キングコングの西野亮廣さんの講演会では販売するチケットにスタッフ席、S席、A席、B席があるという。この中で一番最初に売り切れるのがスタッフ席らしい。
”お金で買えない経験”に価値があるということを示す一例だと思う。
経験の積み重ねが可能性を大きくする
”教育事業を主軸にしている会社だからこそ子どもたちの学習経験をなるべく増やしてあげることが僕たちの使命だと思う”
社長のこの言葉に私も使命感を感じている。
なぜなら私自身が社長の鞄持ちという学習経験によって世界の見え方が変わり、選択肢が増え、自分の可能性を大きくすることにつながっていったからだ。
先が全く読めないままに、二つ返事で社長の鞄持ちを始めた。
何もかもが初めてで手探り状態だったけれど、そういう経験のおかげで得られたものはたくさんあった。
見えていた世界の見方が変わり、視野が広がり、選択肢が増えた。
お金で買えない学習経験がそれまでの自分にはなかった考え方、見えていなかった選択肢を与えてくれた。
未知なる学習経験の積み重ねができることを増やすことにつながり、やりたいことができるかもしれないという現実味が帯びてくる感覚を実感した。
鞄持ちを始めた当初には想像していなかったことが私の今のやりたいことになっていた。
基本的に経験したことからしか考えられない、選択できない、判断できない人間は経験を増やしていかないと判断材料が乏しくなる。
そんな状態ではできることもやりたいことも増えないままだ。
夢ややりたいことが変化することはいいことだと思う。
経験したからこそ選択肢が増えて夢が変わったということ。
未知なる学習経験を通してそんな変化を体感してもらえるように。
”お金で買えない経験”を提供することが今の私の使命なのかもしれない。
そうやって勝手に使命感を感じながら鞄持ちをしている。
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