「東京恋物語」第九話:落日への予感
エスプリグループ総代表である美月との会話で、一週間後にはホストを辞める話しになった翌朝九時過ぎ、祐太郎と奈々子は、ふたり向き合うように狭いセミダブルベッドの中で熟睡していた。
「ブーブーブー」
携帯電話の着信を告げるバイブレーション音で目を覚ました祐太郎は、奈々子を気遣って、ゆっくりベッドから起き上るとローテーブルに手を延ばした。
携帯電話の着信表示は、メトロキャブの相談役である長谷川となっている。
「はい、祐太郎です。五郎さん、何かありました?」
祐太郎は、寝起きと悟られな