「フレンパ」~友だち以上父親未満~ 第七話
「あれから三ヶ月ほどして、夫とは離婚したわ」
二十八年前の遠い、そして甘い記憶をたどりながら、十和子は添好運レストランの列に並んだまま、隣に立つ吾朗へ言った。
「そうでしたか・・・。でも、それって、まさか・・・」
吾朗の問いに、十和子は無言で頷いた。
「うん。赤ちゃんがお腹の中にいるのが分かったの。もちろん、夫には、そんなこと話せないから・・・、何も言わずに離婚手続きを進めたわ。それとね、予想はしていたんだけど、夫のほうにも、その時点で既に別の彼女がいたらしいの」