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通信制高校と高等専修学校

  不登校で学習に不安な生徒の受け皿として、通信制高校がありますが、もう1つ高等専修学校という選択肢もあります。あまり耳になれない高等専修学校かと思いますが、柔軟な授業対応ができるように制度設定されており、出席日数などの規定は内規(学校内で定めた規則)に定められているだけで、登校日数や時間数において卒業要件がないという特徴があります。
  ただし、高等学校全てがそうであるということではなく、例えば美容学科を持っている高等専修学校は、美容師の国家資格を取るために必須の授業時間数という規定はあります。あくまでも高等専修学校の卒業という観点から考えると、必ず受講しなければいけない日数や時間数は柔軟に対応できるというメリットがあります。

  卒業後は、通信制高校は高卒、高等専修学校は高等専修学校卒と一応は同格とも言われていますが、受験できる大学に差があることなど、高卒と高等専修学校卒の扱いでは、違う点も存在していますので、一概に同じとは言えません。

  ただ、高卒を取得するには、やはりそれだけの法律が定められており、レポート、スクーリング、試験と言った必ずクリアしなければいけないことの内容が、それなりに設定されていることから、負担と感じる生徒や保護者がいます。全日制と比較すると、天と地の差があるかもしれませんが、だからと言って通信制高校が「楽」な学校ではないと間違いなく言うことができます。「楽」だけ考えると、高等専修学校の方が「楽」なのかもしれません。

  あとは学校としての取組ですが、法制度的には規則が少ない高等専修学校だったとしても、学校の取組、差別化として登校規準を設けて、専門的な職業訓練をバンバンやっていく学校もあります。高等専修学校の立ち位置は「職業訓練」のため、訓練を受けてもらうためには毎日学校に来ていただく必要があるという考え方の高等専修学校もあります。その代り、専門学校の授業を中卒から受けることができるので、圧倒的な技術力は身に着けられると思います。宮大工や染め物など日本の伝統工芸と非常に相性がいいようにも感じますが、美容師や調理師などの学歴を問わない国家資格との相性も非常に良いものだと感じます。

  その点、通信制高校は高卒は確かに取れる可能性は高い学校ですが、その先の発展では現実的にはちょっと苦労する可能性もあります。学習習慣がある生徒とない生徒、何か自分で経験を積んでいくことができる生徒とできない生徒では、残酷なまでに差が付きます。大学も同じではないでしょうか?4年通って普通免許しかもっていない方と、留学や豊富なアルバイト、起業や部活など大学生という時間を使い込んだ方との差は目を覆いたくなるほどの差がついています。

通信制高校、行ってみたら甘くない・・・のかもしれません

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