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通信制高校に対する誤った期待

通信制高校は時間的な自由度が高く、不登校傾向の生徒さんだけではなく働きたい人、芸能活動やスポーツ分野での時間を優先したい人、集団ではなく個人的な学習機会を必要としている人など様々な方へ臨機応変に対応できるというメリットがあります。この自由度に対して、誤った期待を持たれる方も多くいるのが現実ですが、今までどのような要望があったのか?少しご紹介いたします。

テストを受けなくてもいい
授業には出なくてもレポートやスクーリングという時間だけ出席することで、単位認定ができますが、テストは通信制高校の柱でもあり受けていただく必要があります。受けたかに対しては別室や時間をずらしてなど対応できますが、登校できない=試験を受けなくてもいいと本気で思っている、申し出をすれば免除してくれると思っている保護者の方がいらっしゃいました。

学費の払い方も自由に決められる
分割納入や納期延期など常識的な範囲内で個別対応することは可能ですが、今月は3万円、来月は5千円などご家庭の都合で納入金額を決められる方がいらっしゃいます。通信制高校に限ったことではないと思うのですが、臨機応変な対応を学費納入にも勝手に充当してしまう方がいらっしゃいます。

点数が悪くても大目に見てくれる
中学校は義務教育なので成績が付かなくても卒業することができますが、高校は単位未取得となった場合、再履修や3年での卒業ができないなど74単位という壁があります。これを、中学校の時のようにどうにかしてくれると思っている保護者がいらっしゃいます。どうにもなりませんし、レポートやテストの点数は絶対なので、甘い期待を持ってはいけません。

やりたいことをやってみて、だめならやめればいい
不登校で苦労されているご家庭によくあるお話です。やってみて、ダメならやめればいい。そう思って入学してくるのは構わないのですが、ダメになるまでの努力を学校任せにしている保護者の方もいらっしゃいます。通信制高校は保護者の協力なくては難しい教育機関です。ご家庭での状況まで把握することは困難ですし、学校に来る、課題を出すなどの取組があって、初めて学校側も対応を考えられます。それまでは保護者の方との協働が必要です。

できること、できないことを自分の価値観ではなく、学校側との協力体制のもとで判断していただくことで、サポート体制ができてきます。通信制高校は生徒・保護者・学校の共同作業であることを前提に学校選択をしていただけると幸いです。

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