ランナー3塁の重さ、そして明暗 2023.9.18 西武VSロッテ
西武・古市は、ベンチで俯いたまま。
タオルを目に当て涙する。
なかなか顔を上げることができずに、時間が過ぎる。
9回表、2アウト2塁。
ポランコのシングルヒット、代走和田の足で2塁を陥れるも、角中、山口倒れる。
安田のタイムリーは、浅い。
しかし、和田の足だ。
ついに追いつく。
1-1。
延長だ。
ランナー3塁。
このプレッシャーは半端ない。
何かある、3塁にいれば、何かある。
だから先頭打者が出ることが大事だし、出れば最低でも2アウト3塁をつくらなければならない。
11回裏。
西武は、源田のヒット、岡のエラーがらみで、1アウト3塁。
ああ、絶体絶命。
前進守備をぶち抜かれるか、外野フライでタッチアップか。
はたまたスクイズ。
まあ、クリーンナップだから、スクイズは考えにくいか。
ゲッツー崩れとか最悪だ。
ふう。
愛斗のバットが空を切った時、やっと生きた心地がした。
横山、がんばったよ。
1アウト3塁を抑えた。
何かあるはずのランナー3塁を、見事に抑えきった。
さあ、いよいよラスト。
ここで得点しなきゃ、勝ちはない。
山口のヒット、ここで安田に代打・柿沼。
そう、送りバントのプロフェッショナルである。
1・3塁から激しいプレスをかけられるも、ものともせずバントを成功させる。
和田といい、柿沼といい、「このプレーだけ」のプロフェッショナルがゲームをつくる。ロッテのようなチームが生き残っていくには、こういう選手の存在が大きいのだ。
山口の代走・友杉は、佐藤都志也の浅いレフトフライに虚を突くようにタッチアップ。3塁を陥れた。このランニングはでっかい。危険なランナー3塁を作った。何かある。
ボー・タカハシ、2-1からの4球目。
すっぽ抜けたボールをキャッチャー・古市、止めきれず、キャッチしきれず。
友杉が決勝のホームを陥れる。
何かあった。
ランナー3塁は何かある。
魔のベースだ。
西武はランナー3塁を生かしきれなかった。
ロッテは「何かある」の格言通り、相手のミスで得点を得た。
明暗は、ランナー3塁でくっきりと分かれた。
これが野球の怖さ。
古市が何もかも背負い込むことはない。
でも、この経験は、古市を成長させる、大きくさせる。
それにしても、勝ってよかった。
こういう勝ち方は、ラッキーだけじゃない。
和田の同点を呼び込むランニング、友杉のタッチアップ。
そういう勝つためのプレーが呼び込んだ勝利なのだ。
この勝利で弾みをつけるぜ。
戦えっ!千葉ロッテ!!!
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