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ジャンルが何なのか分からないのですが、いちおう「詩」という事で書いてます。
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#詩

怒りの渦は止まらない 私はそれを眺めているしかない 幼かった彼らは大人になって 自分たちを虐げた白塗りの冷たい石に つるはしの先を振り下ろしている それを私は眺めているしかない

雨が降っても、夏になっても

通り雨は僕らの街を洗い流し やさしい風が君の匂いを運ぶ 洗いたての香りでは無いけど なぜか懐かしい気持ちになる 何度も言いかけて黙り込んだ 僕の言葉を待ってるみたいに ねえ 気が付いているんだろう 知らないまま とぼけたまま このままでいい 友達と恋人の間くらいの ままでいい 雨が降っても 夏になっても きっと僕らは いつまでもこのまま 変わらない心を 変わらない愛を

19(じゅうく)

ある共同幻想の外側へ 一人の人が出てくるのを見たよ へんてこな衣装を脱ぎつつ 化粧を落としてる なぜか笑いが止まらないんだってさ どうやら何かの発作らしいぜ たぶん病んでる 天職だと思って 始めたピエロ みんな俺を見て笑う その喜ぶ姿が見たくて 一生懸命演じてたら こうなっちまった 下着姿の男はそう言って 泣き始めた 僕は彼にこう言ったんだ そう 思ったまま正直にね 他人の欲望の狭間(はざま)で 踏みつけにされ自分を無くしたんだよ 拍手に踊らされて自分を 見失っちま

広瀬川

かなしい、かなしい、かなしい 雨が降る 僕らの時代にさよなら いつか見た鳥居の向こう 忘れえぬ人 ゆっくり歩く川沿いの小径(こみち) 歴史をたどる終わりなき旅 あなたが語る愛の言葉は まるで陽炎みたいに 揺れて消える かなしい、かなしい、かなしい 太陽が降る 僕らの時代にありがとう いつか見た夢の続きは 明日にある 裏切りの言葉の向こうにある 信じる気持ちを言葉に出来ない 怒りに染まる君の真っ黒な 顔から目を背(そむ)けた 霧の彼方(かなた) かなしい、かなしい、かな

日常詩

今注目の詩人と言われている人の作品を見たら そこにはものすごく暗い、十代の記録があった 苦しみを昇華し、羽ばたいたストーリーを見て こんな事は書けないと思った 嫌な事があっても適当に誤魔化す癖があるから 研ぎ澄まされない感性と言葉 そして致命的なのは頭が悪い事 みんなが知っている事を知らない 芸術家なら 破滅すればするほどいいものが できるという噂があるね だとしたらそちら側には行けない 空は緑では無いし セピア色の景色は写真だけ 悲しければ笑わないような 普通の世界に

欲望の狭間で見上げた景色の事を語ろう

とくに語る事などないけれど もう疲れてしまった事は確かで それにするべきことは山積みだったりして だからピリオドを打つため 少しだけ話をさせて 人に優しくするという事は 自分を削る行為だ なぜなら人は欲しいものを手にした時にしか 笑わないのだから 人を笑わせる人は どんどん小さくなってしまいには 消しゴムみたいな最期を遂げるんだ もしも君がそんな姿になったら 私は嫌だな だから言いたい 優しい人になんかならなくていい 人に優しくしなくていい なぜなら人はそもそも優しくな

太陽と月のような夫婦

いつも来るお客さん 登山スタイルのペアルック 180センチ越えの旦那さんと 150センチも無い奥さん ふたりは揃って不機嫌な表情で 一言も発しない 奥さんはいつも小銭しか出さないが 旦那さんは黙ってお金を払う ふたりはいつも一緒 多分お互いにときめいてはいない 夫婦の付き合いってたぶん つまらないものだろうけど 時が経つってそういう事 若葉が枯葉になるように 自然な事なんだよね

冬のカケラ

君が生きていて良かった ただそれだけだよ ほかに言う事なんか無い いつか語り合った事 楽しみにしていた石拾い みんな別れの挨拶だったんだね 今思えば 寂しく優しい言葉だった 今までありがとう、と 君が生きていて良かった ただそれだけしか 言葉が思い浮かばない また会えるといいね 冬の花火大会 ばらばらに散った熱のカケラ いつかまたどこかで

優しかった人

何があっても味方だと言ってくれた人がいます その人はいつも優しい言葉をかけてくれました 好きです、愛していますと だけど一度だって、助けてくれた事は無かったのです そんなあなたの何を信じたらいいというのでしょうか あなたに興味は無いと言いながら わたしが見ていない所で わたしのために人を殴った人がいました それは一度だけではありませんでした その人は一度も振り返らないから 顔を見た事もありません なぜでしょう 愛を語る人よりも ただ愛する人の方が 心に残っています

愛するという事について

愛は愚直 愛は、温かい 愛は苦しみ 愛は、突然目の前にいる 誰かの目を気にしていたら その愛は逃げて行く 一瞬のためらいが 永遠の別れ もしも見つけたなら 大切にしてください 言葉にしないで

ヒリヒリ

目の前でふたりの人が静かに争っています いつもさんにんで会っていたのに ふたりで遊んでいた事をあの人が 話してしまったから 言わなければいいのに 驚いた顔で私を見ている その視線が痛い 別の話をして欲しいけど 私からは言えない 何でこうなった なにもやましい事は無かったのに 何かあったかのようになってる 言い訳をすればするほど 疑われている気がする 逃げ出したいレストランで 煙草に火を点けた