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広瀬川

かなしい、かなしい、かなしい
雨が降る
僕らの時代にさよなら
いつか見た鳥居の向こう
忘れえぬ人

ゆっくり歩く川沿いの小径(こみち)
歴史をたどる終わりなき旅
あなたが語る愛の言葉は
まるで陽炎みたいに
揺れて消える

かなしい、かなしい、かなしい
太陽が降る
僕らの時代にありがとう
いつか見た夢の続きは
明日にある

裏切りの言葉の向こうにある
信じる気持ちを言葉に出来ない
怒りに染まる君の真っ黒な
顔から目を背(そむ)けた
霧の彼方(かなた)

かなしい、かなしい、かなしい
風が通り過ぎる
もうすぐ新しい季節が
来るだろうに

私の心に残された愛の言葉は
まるで陽炎のように
揺れて消えた

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