あつまれどうぶつの森に夢を見る
あつもりにハマっている。
Nintendo Switch (ニンテンドースイッチ)の爆売れゲーム『あつまれどうぶつの森』。略して「あつもり」。ほのぼのとした世界観、かわいらしいキャラクターとやり込み自由度の高さで、いまや日本のみならず世界中の大人も子供も夢中よね。
え? あつもりをご存じない?
ざっくり説明すると
「島で過ごすゲーム」
です。
プレイヤーは一つの無人島を与えられて、島を破壊・・・ではなく開発していくんです。雑草をボッコンボッコン引っこ抜いたり、木をバッサバッサ揺らして枝をゲットしたり、オノで木をガンガンぶっ叩いて材木を切り出したり。
で、いろいろ作るわけ。
DIYで釣り竿やオノといった道具から、家具、服などまで、かなりいろいろ作れちゃう。しかも、自分好みのデザインを作ったり、リメイクしたりできちゃう。
これがとにかく楽しいわけ。
しかも、それだけじゃないの。最初は無人島だった島に、住民が移り住んできて、すこしずつにぎやかになっていくの。これがまたうれしいの。
さらにさらに、他の島にも行けちゃうの。ゲーム内のみならず、オンライン通信で気になるあの子の島にも行けちゃうの。ひゃっほう!
・・・やっぱり気になるよねー、あの子の島。
ぼくはこの「見たことのない島がどこかにある」っていう期待感が、あつもりの一番の魅力だと思うんです。
だってね、今どきスマホでなんでも調べられるわけでしょ。手のひらの上でスイースイーってお父さん指とお母さん指がデュエットすれば、大体解決しちゃうわけ。
それどころか、最近では「ヘイ、しり!」とか「オウケイ、ぐうぐる!」とか呪文を唱えれば、話しかけるだけでAIが答えてくれるわけよ。
でもさ、昔はそうじゃなかったでしょ。
ぼくが中学生のころとか、この世の中はわからないことがいっぱいあったわけ。
たとえばさ、授業中に地図帳をぼんやりながめて、なるほど・ザ・ワールドとか一人でやらなかった?で、スリランカの首都がスリジャヤワルダナプラコッテという長ったらしい名前で、朝から晩まで気がつくと「スリジャヤワルダナプラコッテ」って唱えている自分がいたりしなかった?
あとはさ、おかしな名前の地名とかを探したりしなかった?カリマンタン島とか、キンタマーニ島とか、チンポー湖とかさ。中学生の男子なんて、みんなやったと思うんだけど。
きわめつけは、エロマンガ島だよね。
なにこれぇぇぇーーー!!!やばくなーーーい?!
そんな感じだったでしょ。
女子のスポーツブラが透けて見えるだけでワクワクしている中学生なんかにしてみたら、興味深々だよね。
で、今ならスマホで調べるよね。
「ヘイ、尻!」って。
でもさ、それが当時はできないわけ。だから、めいいっぱい想像するわけ。
エロマンガ島っていう島の名前だけで。
どんな島なのよ?エロマンガがたくさんあるわけ?エロマンガ人が住んでるわけ?エロいの?マンガなの?デフォルメなの?劇画なの?そのあたりどうなの?どうなのよぉーーーッ!!!ってね。
エロマンガ島のみなさん、勝手なこと言って、マジ、ゴメン。
でもさ、これってすごく楽しいじゃない?
エロマンガ島
淫靡な響き。
エロマンガ島
甘い生活。
エロマンガ島
弓月光。
エロマンガ島
いつか行ってみたい。
いや、そうでもない。
エロマンガ島
あれから何十年も経っているのに、忘れられないの。
夢の景色を探したいと思ってる。
新しい宝島を。。。
ただね、スマホがあることで、ぼくらはこの世界をわかった気になっちゃってるよね。あらゆる知にいつでもどこでもアクセスできて、遠く離れたところのこともSNSでリアルタイムでわかっちゃうから。
でもさ、本当に何でもわかっているのかな。
たとえばコロナのことだって、全然わかってないじゃない。ライムをさして飲むと美味しいってこと以外は。
たとえば海のことだって、全然わかってないんだって。「塀、四里!」って聞いてみたら、5%ぐらいしかわかってないらしいよ。消費税よりわかってない。
たとえば空のことだって、全然わかってないでしょ。いまだに天気予報は100%当たらないしさ。入道雲を見たら竜の巣だって思うしさ。ぼくはいまだに父さんを信じているしさ。
島の話でいえばさ、ラフテルの場所をぼくらはまだ知らないのよ。
つまりさ、テクノロジーがいくら進化しても、この世はわからないことだらけなんだよ。
フロンティアは絶対になくならない。
だから、世の中は楽しい。
好奇心は最高のガソリン。
冒険はすぐそばにある。
と、そんなことを考えながら、ぼくは今夜も自分の島を破壊・・・ではなく開発するのです。
まだ見ぬあの子の島を夢に見ながらね。
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