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桃鉄と生まれ変わり

久しぶりにnintendo Switch で発売され人気のゲームソフトが「桃太郎電鉄(通称『桃鉄』)で、我が家でも親子で大変楽しんでおります。このゲームは日本の線路や土地の名産を使ったすごろくなのですが、醍醐味は「いかに障害を避けてお金を稼ぐか」にあります。障害として、毎回変わる目的地までの道のりを邪魔する「貧乏神(お金を捨てたり不利な条件を呼び込む)」「すり(持ち金をごっそり減らす)」「災害」「怪獣」などなどストレスをかけてきますが、決してプレイヤーに平等に災難がくるわけでなく、運が悪いとずーっとストレスがかかったままだったりします。また、運がいいとずーっと裕福だったりします。それもこのゲームの面白いところだったりするのですが、最初のうちはほとんど障害なく、ただただ資産が増えることが快適なのですが、それだけだとちょっと飽きてくることがあります。それよりもお邪魔キャラを擦り付け合ったり、もう駄目だと思った状態から大逆転などあるほうが盛り上がるわけです。

「勝ち組」「負け組」でいえば、これはゲームなので一番うまくいったひとが優勝なのですが、振り返って楽しかったり印象に残るのは「不利な条件があった場面」です。大借金を挽回するにしても、悪循環な状態でみんなに同情されるのもマイナスの状態を楽しめたかどうかが大きいわけです。

最近のゲームは万人が楽しめるように初めに難易度を選べるものがあります。「イージーモード」にするとかなり快適にサクサクすすむのですが、もう一度やりたいと思ったら次は「ハードモード」をやりたくなります。この視点を持てると「できなかったことができる喜び」「潤沢な状態では気づかなかった満足感」など他人との比較ではなく個人スキルの向上やチャレンジの快感が現れます。

桃鉄もやるたびに少し不利な状態が何とかうまくいくようにしていく過程を楽しめるようになります。「常にうまくいく」というモードがあっても桃鉄は楽しめないように思います。そのバランスが絶妙な部分がこのゲームの人気なのでしょう。

ここで生まれ変わりの話です。

自分の人生が何回も繰り返せて、初めにどんなモードかを選べるとしたら最初はやはり「イージーモード」でやりたいでしょう。すごく美人だったり、スポーツ万能だったり、裕福な家庭に生まれたりと何かとうまくいく人生を最先端で楽しむことを選びたいはずです。

このモードも何回か繰り返すとちょっと違うモードを選びたくなるかもしれません。かっこ悪く生まれたり、貧乏な家庭で育ったり、どうもどんくさかったり、なにかと運が悪かったりの要素の有る人生モードです。少しだけその要素の有る人生をやることで多くのことを自分で発見して楽しむことができると気付くとさらにハードなモードを選ぶかもしれません。失敗したら少し難易度を落とすかもしれません。いずれにせよ、イージーモードは一見羨ましくみえるけど慣れたらもういいやと思えるものなのではないでしょうか。もし生まれ変わるたびに「次はどんなモードでいくか」を自分で選んだとしたら今の自分の環境や能力は「一回限りなのに損した人生だ」ではなく、「さあ、この状態からどうしていこうか」と思える気がします。

この人生のモードは途中で切り替えることはできませんが、人は学んで、鍛えて、やり直すことができます。今の状態を選んだのはきっと自分自身です。さあ、とりあえずさいころを振ってみましょう!さっきと同じ場所もちょっと違って見えるかもしれません。

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