小岩について語ろう
最近、マンション界隈でにわかに賑わいを見せている地名、それが「小岩」である。みなさんの持つ小岩のイメージとはなんだろうか？ いろんな観点で話してみたい。
1.マンション・開発
アルファグランデ小岩スカイファーストが建ったときはある意味少し”浮いた”建物であったが、最近ではそれを感じさせないほど小岩駅周辺全体で大規模な開発が行われており、まだまだ発展途上だ。主なタワーマンションとしては以下のようなものがある。
アルファグランデ小岩スカイファースト（2013年築・南小岩7丁目・南口徒歩3分）
プラウドタワー小岩ファースト（2022年築・南小岩6丁目・南口徒歩1分）
プラウドタワー小岩ほげほげ（2025年8月竣工予定・南小岩6丁目・南口徒歩2-3分?）
パークシティ小岩 ザ タワー（2027年1月竣工予定・西小岩1丁目・北口徒歩3分）
すでに前者２つが竣工・引渡済みであるが、先日パークシティ小岩 ザ タワーの公式HPや動画が公開され、パースなどでイメージが明らかになり、一層賑わい始めているように感じる。この流れはしばらく止まないだろう。
JR小岩駅周辺地区地区計画書から以下の図を抜粋した。
（参考：https://www.city.edogawa.tokyo.jp/documents/5929/jrkoiwa.pdf）
本当に多くの場所が開発された（される）ことがわかる。すでにある程度開発が進みつつも、これから長期にわたって開発が進み、今の小岩とは異なる街に生まれ変わろうとするポテンシャルが多くの人の関心を寄せる原因となっていることは間違いない。
2.電車事情
小岩駅は複数路線が使える立地ではなく、JR中央・総武緩行線（中央・総武線各駅停車、黄色い電車）のみが止まる駅であり、1面2線の正直あまり大きいとは言えない駅だ。ただ、東京方面は隣駅の新小岩駅、千葉方面は隣駅の市川駅でそれぞれ総武快速線に乗り換えることができる。中央・総武緩行線と総武快速線は複々線区間（千葉駅〜錦糸町駅）で並走しており、乗換時間は走れば1分ほど、歩いても2,3分あれば乗換できるなど、緩行線しか停まらないデメリットはさほど大きくない。
また、浅草橋・秋葉原・御茶の水方面に出る場合においては、新小岩から総武線快速に乗って錦糸町で緩行線に乗り換えることはほぼない（緩行線のみを利用する）ため、通勤・通学などで東京・新橋・品川方面に頻度高く出かける人以外では、あまりデメリットは大きくないのである。
この点も、小岩が緩行線のみ停車する駅だからという理由で回避されづらい理由ではないだろうか。
また、エマージェンシー的な使い方にはなるものの、北側には京成電鉄の京成小岩駅（小岩駅北口から徒歩18分ほど）が、南側には都営新宿線の一之江駅・船堀駅・篠崎駅（いずれもバス便）、東西線の葛西駅（バス便）があり、もし総武線が大幅に止まってしまった場合などに迂回することもできる。（※ただし、城東地区や千葉は縦のラインを繋ぐ路線に乏しく、錦糸町駅（半蔵門線）・本八幡駅（都営新宿線）・西船橋駅（東西線）まで到達することが必要である点には注意。）
3.小岩駅南口
小岩駅の南口は非常に商店街が多く、まだまだシャッター街とまではならないほどには、多くのチェーン店・個人店が営まれている。
南口を出るとバスロータリーを中心として、
・左手にサンロード
・中央左手に昭和通り
・右手にフラワーロード
がそれぞれ放射状に伸びていく。
・サンロードは篠崎駅方面のバス
・フラワーロードは一之江駅・葛西駅方面のバス
などが行き交うなど車道＋歩道となっている。
サンロードは車道・歩道共に狭い上、近くをクロスする５番街や並走する地蔵通りなども含めて、飲食店や風俗店（ヘルス）、キャバクラなどが密集するエリアである。周辺にはレンタルルームやラブホテルなども点在する。
小岩と聞いて”治安が悪そう”というイメージを持つ人はおおまかにはこの周辺のイメージを想起している可能性が高い。実際に夜にこの周辺に１度訪れてみると雰囲気を掴むことができる。
一方で、対照的にフラワーロードは生活に必要なスーパー（マルエツ・オオゼキ）や、100円ショップ（ダイソー・Seria）などに加え、個人の方が営む多種多様なお店が軒を連ねる。南端の千葉街道に接続するまで、約800-900mほどのアーケードを持つ商店街となっている。そして、フラワーロードの周辺を囲うように戸建やアパートなどを中心とした住宅街が形成されている。このあたりを訪れると、至って普通の住宅街という印象を持つ人が多いと思う。
たとえば、アルファグランデ小岩ファーストやプラウドタワー小岩ファーストの通学校となっている下小岩小学校については、住宅街の中にあり、治安が悪いイメージとは程遠い。
また、昭和通りはこじんまりとした商店街ではあるが、飲食店などを中心に個性豊かなお店が軒を連ねる。朝・昼・夕の時間帯で歩行者専用道路になる。
３本の商店街が放射状に広がっているおかげで、朝・夕の通勤・通学時間をはじめとして、ある程度夜遅い時間でも人通りがあり、商店街から少し道を入れば帰宅することができる。
このように、南口の駅近の一部エリアは飲食・風俗街を形成している一方で、その他のエリアは商店街に商業が集約され、その周辺に住宅街があるようなエリアとなる。
4.小岩駅北口
北口は目の前にイトーヨーカドーがあり、北側の蔵前橋通りまでのエリアについては、チェーンや個人の居酒屋を中心とした飲食店が多く立ち並ぶエリアである。今回、パークシティ小岩 ザ タワーや周辺の開発によりその一部は姿を消すことになる。
北口も居酒屋が大変多いこともあり、夜は酩酊状態の人が多く歩いているため、小岩の治安の悪さのイメージに寄与している可能性は大いにある。
イトーヨーカドーはB1Fに生鮮（肉・野菜・魚など）、1Fに惣菜・寿司・パンなどがあり、10:00~22:00まで購入可能ではあるが、今回の北口の開発によりパークシティ小岩 ザ タワーの竣工後(2027年以降）に一旦営業を停止して取り壊しとなる。（イトーヨーカドーのエリアはバスロータリーを含む北口駅前広場に生まれ変わり、イトーヨーカドーはパークシティ小岩 ザ タワーの開発により生まれる再開発ビルに入る予定。）
南口はある程度今までの商店街を残しながらの開発であったものの北口については、小岩駅〜北口駅前広場（上部ペデストリアンデッキ）〜パークシティ小岩 ザ タワーという新しい動線ができることで大きくその印象を変えることになる。
また、今まで蔵前橋通りから小岩駅北口周辺に車で侵入しづらい車道の構成となっていたところも、今回で大幅に改善され、バス便の利便性向上にも寄与するのではないかと思われる。
5.シャポー小岩
南口の商店街を紹介したものの、実は小岩で一番便利なところが、駅のショッピング施設のシャポー小岩の存在である。（昔はPoPo小岩という名称で、1972年からオープンされ、長年小岩駅を利用する住民に親しまれてきた。）
シャポーは現在リニューアル工事中であり、2024年3月下旬にグランドオープン予定となっている。
シャポーは東西に広がっており、千葉側（東側）・東京側（西側）とそれぞれ期間を分けてリニューアル工事が進められてきたため、すでに千葉側43店舗はリニューアル開業済みで、今回東京側の30店舗が新たにオープンして、グランドオープンを迎える。
リニューアル工事が行われてきたここ数年は、小岩駅利用の方は非常に困っていたのではないかと推察されるが、3月下旬以降は以前の利便性を取り戻すものと思われる。
今までのシャポーに入っていなかったマクドナルドやミスタードーナツは以前北口にあったため、懐かしさを覚える小岩住民の人も少なくはないだろう。（マクドナルドは過去に南口にもあった。）
https://shapo.jrtk.jp/koiwa_grandopen/
ここ数年は再開発やリニューアル工事のあおりで少し不便さを感じるところもあった小岩だが、少しずつ工事が進んできているおかげで生活利便性が高まっていくものと思われる。
6.下小岩小学校の統合・改築
南口のマンションの通学校になっている下小岩小学校については近くの下小岩第二小学校との統合がすでに完了しており、現在は下小岩小既存校舎及び敷地内の仮設校舎で両校出身の生徒が授業を受けている。また、下小岩第二小敷地での新校舎建設が進められている。
新校舎は令和7年度から利用開始され、現在の下小岩小の既存校舎（及び仮設校舎）の利用を終えるため、南口のマンションの場合は令和7年度以降に通学する場所が大きく変わる点に注意が必要となる。
たとえば、プラウドタワー小岩ファーストの場合、現下小岩小学校だと徒歩8分である一方で、下小岩第二小学校跡地の新校舎までだと徒歩13分ほどとなる。
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/documents/19941/shimokoiwa.pdf
7.終わりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
他にも
・浸水ハザード（新中川・江戸川に挟まれる立地）
・江戸川の花火（毎年夏に開催）
・車事情（北側は蔵前橋通り、南側は千葉街道と接する。高速道路については、首都高速7号小松川線一之江ランプ・京葉道路篠崎IC・首都高速中央環状線平井大橋出入口など全体的に遠くて使いづらい。小岩駅の近くは幅員が大きくない割に、バス停や路駐、信号機のない横断歩道が多々あり、慢性的に混んでいて車での利便性は高くない立地。）
など、話すことはありそうですが、またの機会に。
私個人としては小岩は好きな場所ですが、一方ですべて花丸満点ですという場所でもありません。マンション購入で検討されている方には、ぜひ一度、平日朝・夕、休日の昼間など時間を変えて訪れていただきたいです。
以上
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