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我が家の必需品。その日から使える手抜きな塩麹の作り方

 数年前に流行った塩麹。塩と麹を手でスリスリとしっとりするまで揉みこんで、毎日、1日1回かき混ぜて、数日かけて発酵させた万能調味料です。世界中で塩麹はブームになりました。

 美味しいし、発酵食品だし、肉や魚の旨味を引き出してくれるし、本当に便利な調味料なんですが、出張が重なったり、急に飲みに誘われて酔っぱらって帰ってきたり、仕事が忙しすぎてヘロヘロに疲れてたりしちゃうと、作るタイミングを逃してしまう機会が増えていきました。基本的にものすごい面倒くさがりなので、丁寧な暮らしができないくせに、美味しいものは食べたい。心地よく過ごしたい。

「なんとか、ラクして塩麹がつくれないものか。
 できれば1日でつくれてその日か使えないかな?」

そんな願望からできた手抜きで作る塩麹の作り方を紹介したいと思います。
作ったその日からつかえます!早速つくり方からいきましょう。

かんたん!手抜きな塩麹の作り方 #レシピ
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■材料
・甘酒 1パック 
 (原材料が米と麹だけのものを選ぶ)
・甘酒の10%の塩

■ 作り方
甘酒に10%の塩を混ぜる。できあがり。
(甘酒200g入りを買ってきたら、塩20g入れたらよい。)
※「家に秤がないよー」という場合は、
塩小さじ1 ≒ 塩5g 塩大さじ1≒ 塩15g で計算しても大丈夫です。

 この塩麹を作り出したきっかけは、正月に残った大量の餅でした。
 冷凍庫パンパンになるし、早く食べきりたいけど正月で食べ飽きてて、食べたくない。

 とりあえず、正月の残りの餅を使って甘酒を作りましたが、自分で甘酒をつくるとこれまた大量にできあがります。「こんなに飲めないな、はよ飲まないと腐らせるな」と思ったときに、「あ、コレもう、麹で発酵させてるんだから、塩入れたら塩麹になるんじゃない?」と塩を入れたのが始まりでした。

 毎年、正月の餅が余ったら塩麹にしちゃって使っています。正月の餅で作った分がなくなったら、冷ご飯と麹で甘酒を作って塩麹にすることもあるし、甘酒を買ってきて、塩を加えるだけのこともあります。今回紹介したレシピは、市販の甘酒で作るバージョンです。使いきれるかどうかわからないし、けっこう冷蔵庫を占領するので、まずは、市販の甘酒で作ってみてください。

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 だいたい、この分量で作ると塩分濃度9%の減塩味噌くらいの塩分濃度になります。発酵は進むけど、冷蔵保存で半年以上持ちます。冷蔵庫保存するときは100均のボトルに入れてます。買ってきた市販の甘酒で作っても、自分ちで作った甘酒で作っても発酵は進みます。塩麹はだんだん上澄みが金色になってきて、下に米と麹が沈んできますが、使うときに振って混ぜたら問題ありません。

 あ、私の塩麹がなめらかなのは、料理に使ったときに米の粒が残るのが嫌なので、ミキサーに入れてガーっと攪拌してるからです。米の粒があっても味に影響はないので、ミキサーをかけるかけないはお好みで大丈夫です。


失敗しない味付け方法 ~人が「美味しい!」と感じる塩分濃度がある

 人が美味しいと感じる塩分濃度って、人の血液と同じ濃さの塩分濃度なのだそうです。

 人の血液の濃度がだいたい0.8〜0.9%
 生理食塩水がちょうどこの塩分濃度です。体液と同じ濃さなので、目に入れても鼻にいれても痛くない。同様に、この塩分濃度の味つけは美味しいと感じて、これより薄いと物足りないと感じるし、これ以上濃いと塩辛いと感て、上がった血中濃度を薄めるために喉が渇きます。人の体ってバランスがとると心地よく感じるようにできてるのがすごいなって思います。

 この手抜き塩麹の塩分9%というのがカギで、肉や魚の重量10%の塩麹で漬け込こんで焼くと、たとえば、300gのお肉なら、30gの塩麹。ちょうど、血中濃度と同じくらいの濃さになります。そのまま食べて美味しいと感じる味つけです。

 塩麹の基本的な使い方は、まあ、難しいことは考えず、「買ってきた甘酒に塩10%いれて、肉や魚の10%の塩麹で漬け込む」って考えればOKです。

 

料理も人生も「あそび」の部分があった方がレパートリーが増えてたのしい。

 で、応用の味付けです。
 私は、肉重量に対して、塩麹5%で漬けています。約半分です。

 300gのお肉なら、5%の15gの塩麹。「そのまま食べても美味しいけど、ちょっと塩分控えめかな?」くらいの味加減です。

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 車のハンドルには「遊び」という部分があって、この余白があるから安全に運転できます。料理も人生も、この「遊び」が大事だなーと思うことが多いんです。

 車の「遊び」というのは、車のハンドルを右に切っても左にきっても、すぐに曲がるのではなくて、少し間というか、余裕があってから曲がるんです。この「遊び」の部分がなかったら、車は急に曲がります。ちょっとしたハンドルミスで事故に繋がらないように、わざと「余裕」「余白」を作っている、のだそうです。これを聞いて、「へー料理に似てるな」と思いました。
 

 例えば、私は、よくこの塩麹でローストポークやローストチキンを作るのですが、そのまま食べても美味しいけどちょっと薄いかな?くらいの味にしといて「遊び」の部分、つまり余白をつくっておくと、味のレパートリーが増えるんです。

 一番よくする食べ方はシンプルに、薄切りにしたローストポークをお皿に並べて、オリーブオイルと塩、黒胡椒と気分によってハーブをかけて食べます。ちょっと小洒落た前菜っぽい感じ。

 でもこればかりだと飽きるので、盛り盛りのグリーンサラダにローストポークをのっけてドレッシングをかけたり、細切りにして中華ドレッシングとあえたり、ポテトサラダに混ぜ込んだり、冷麺の上にのっけたり、ラーメンの上にチャーシュー変わりにしたり、一味マヨネーズをつけお酒のアテにしたり。味変ができて、飽きずに食べることができるんです。

 作り置きって、同じ味がずーーーーっと続くと飽きちゃいます。「今日はそれ食べる気分ジャイナイナ…」ってなっても、冷蔵庫に鎮座してると思うと「食べなきゃならない…気分じゃないけど、早く食べねば…」みたいな義務感に気が重くなっちゃうんです。完璧に仕上げてしまうより、60%くらいに仕上げといて、残りの40%はその時の体調や気分次第で自由が利く、「あそび」の部分、余白があるだけで、気持ちがすごく楽になりました。

 仕事でいう、「仕掛品」みたいなかんじでしょうか。途中まで作って仕上げてない。仕上げは発注が入ってから仕上げる。食べる直前に完成して、できたてがいつでも食べられるよう、作りかけの状態でストックしておく。急に友達が遊びにきても、とつぜん残業になっても、ドレッシングかけるだけで一品完成すると思ったら、すごく気がらく。そして手間暇かけたような凝った一品に見えちゃう。

 ホントのこのローストポークと塩麹はけっこう頻繁にでてくる我が家の超定番レシピなので、ぜひ作っていただけたら嬉しいです。

→ 漬けて焼くだけローストポーク のレシピ

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