大剣豪大西部
(前回までのあらすじ:SMD(大量破壊刀器)の行方を追い、手がかりとなる『カタナ』を探すジュウゴとルーは得られた情報に従い荒野の中の小さな町を目指す。しかしその町は帯剣武装盗賊に狙われつつあった!)
ジュウゴの手の中で撃鉄が響き、弾丸が悪漢の脳天に風穴を空ければ、
「ぐぶぅ」
と間の抜けた呻きとともに男は剣を取り落とし荒野に倒れた。
それはルーがダガーナイフで別の悪漢の喉笛を一突きにして殺したのとほぼ同時。こちらの相手は呻き声すらなく絶命した。
「何人殺しました?」
「さぁな。数えてなかった」
ルーの問いにジュウゴは簡潔に答え。二人は背を合わせて息を吐いた。
「……」
吐ききった息とともに沈黙。一瞬の静寂。今はそよ風すら無い凪いだ荒野の空気を探り、
「今ので最後のようですね」
「そのようだ」
もはや敵の気配が無いことを確認してジュウゴは拳銃を書生服のホルスターに仕舞い、ルーはナイフを鋭く一振りし空で血を拭う。
(続く)
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